佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『京都下鴨なぞとき写真帖』(柏井壽・著/PHP文芸文庫)

 『京都下鴨なぞとき写真帖』(柏井壽・著/PHP文芸文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

京都の老舗料亭“糺ノ森山荘”の八代目当主・朱堂旬は、ふだんは冴えない風貌で、自転車にまたがる姿はどうみても下働きの従業員。ところが彼は、人気写真家・金田一ムートンというもう一つの顔をもっていた―。秋の大原、どこか寂しげな着物姿の女性が向かうのは山中の来迎院。彼女にカメラを向けたムートンがファインダー越しに見抜いた真実とは?京都の名所とグルメ情報満載の新スタイル小説。文庫オリジナル。京都の老舗料亭“糺ノ森山荘”の八代目当主・朱堂旬は、ふだんは冴えない風貌で、自転車にまたがる姿はどうみても下働きの従業員。ところが彼は、人気写真家・金田一ムートンというもう一つの顔をもっていた―。秋の大原、どこか寂しげな着物姿の女性が向かうのは山中の来迎院。彼女にカメラを向けたムートンがファインダー越しに見抜いた真実とは?京都の名所とグルメ情報満載の新スタイル小説。文庫オリジナル。

  

京都下鴨なぞとき写真帖 (PHP文芸文庫)

京都下鴨なぞとき写真帖 (PHP文芸文庫)

 

 

 京都の名勝地とそこに実際にあるおいしい店が紹介される。そしてそこで展開される人情話が読みどころである。京都観光グルメガイドと市井人情小説の幸せな合体。京都に生まれ、京都に住み、京都を食べ歩き尽くした柏井氏ならではの見聞は正真で慥かだ。

 第二話「雪の千本鳥居」が好い。年老いたおばあちゃんが一人で切り盛りする食堂は何処とは特定されていないが、京都の町中にあり地元の人からうどん屋と呼ばれているような大衆食堂。店の佇まいを想像するだに京都に行きたくてたまらなくなる。