佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『月と菓子パン』(石田千・著/新潮文庫)

『月と菓子パン』(石田千・著/新潮文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

女ひとり、気どらぬ町で暮らしている――。近所のとうふやの味を比べる。猫みちを探索する。銭湯で人生の先輩たちの会話を楽しむ。田舎から出てきた父と乾杯する。水泳がちょっとうまくなる。二歳のいなこちゃんを抱っこする。ともだちの家でごはんを食べる。何気ない日常こそが愛おしい。みずみずしい感性ときりりとした筆致でエッセイの新時代を切りひらく、石田千の第一作品集。

 

月と菓子パン (新潮文庫)

月と菓子パン (新潮文庫)

 

 

 石田千さんの本を読むのはこれが3冊目。なんでもない日、どこにでもある話が石田さんの手にかかると愛おしくなる。石田さんのこころのありようと、ものを見る目をとおした日常風景はあたたかく、味わい深い。毎日をあたりまえに生きること、ふとしたことに目を向けること、ちょっとした贅沢をしてみること、そうした日常のなかにある幸せを見つける作業が石田さんにとってエッセイを書くということなのだろう。人生はすばらしい。