佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

小田原城とかまぼこ通り

2018/10/20

 昨夜は小田原に泊まったが、今日は夕方、加古川での飲み会までフリーである。ということは13:00過ぎの新幹線に乗れば十分である。さてどうするか。取り立てて計画もなく、足は自然と小田原城の方向に向いた。

 

 

 観光客、特に外国人はさほど多くなく静かに過ごせた。私は田舎者なので人が多いと落ち着かない。9:00を過ぎると周辺のお店が開き始める。どれ、かまぼこでも買おうかとかまぼこ通りへ向かった。

 こちらもまだ午前9:00とあって、観光客はほとんどいない。小田原蒲鉾発祥の店と幟にうたう店が開いていた。店名は「鱗吉(うろこき)」。創業は天明元年だというから、かれこれ240年近く続く老舗と言うことか。天明の大飢饉浅間山の大噴火、米問屋の打ち壊しなど激動の時代を生き抜いているのだ。田村意次だって失脚したというのに・・・偉いではないか。

 店には酒と地ビールが置いてあり、ここのかまぼこを肴に飲めるようになっている。当然「女将の利き酒三種」(天青・松みどり・残草蓬莱)と「板わさ」を注文。こんな時間から飲んでいるのは私だけである。なぜ飲むのか。そこに酒があるからである。なに、かまうものか。自分の金で一人静かに飲むのだ。三人四人が道を塞いでぺちゃくちゃ大声でしゃべって歩く観光客よりよほど行儀が良いのだ。文句あっか?

 本を読みながら、小一時間酒を飲みすっかり気分が良くなった。足取りも軽やかに街中をあてどなく歩く。かまぼこのお土産は「籠清」で買った。少々高かったが『鳳凰』を一本。これで冷や酒をきゅぅーっとやるときっとうまいにちがいない。

 

 

 

 昼飯は鰻と決めていた。昨夜、街中を歩きながら目を付けていた「鳥かつ楼」に行った。時刻は11:00であった。まだ準備中とある。開店は11:30である。開店を待っても良いのだが、この店がキチンとした鰻屋ならば注文してから焼き上がるまでに40分や50分はかかるだろう。それでは帰りの新幹線にギリギリの時間になってしまう。すぐに出てくる可能性があるが、それでは旨い鰻は食えないだろう。ここは速やかに撤収するに如くは無し。余談であるが、「鳥かつ楼」という名でなぜ鰻なのか。どうやら鳥料理も出すようである。そういえば近くに「柏又」という鰻屋があるのだが、そこも看板に「とり・うなぎ」とうたっている。小田原ではこういう店が多いのかもしれない。

 さて昼飯の問題はどうなったか。ラーメンにした。私はラーメンをめったに食べない。麺類の中では「蕎麦」「うどん」「そうめん」「ラーメン」と順位が決まっている。「ラーメン」は最下位、「蕎麦」と「うどん」の順序は微妙である。何故「蕎麦」が上に来るかは、要は蕎麦屋は酒を飲ませるからである。蕎麦前の楽しみは他の麺類にはない。

 前置きが長くなったが訪れたラーメン屋は「鯵一北條」。スープに鯵が使ってあるというのが気を引いた。こってりしているスープは鳥・豚が使ってあるのだろう。おいしかったが、正直なところ驚くほどではなかった。麺は中太のストレート。もちもち加減がよかった。