『店長がいっぱい』(山本幸久・著/光文社文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
ここは友々家。国内外に総数百二十七店舗を展開する他人丼のチェーン店だ。ひと癖ある社長と創業者会長の元、左遷組、転職組、離婚した主婦、家出青年と、いろんな店長たちが奮闘中。不満は山ほど、疲れも溜まりトラブル多発。でも店長たちは今日も明日も、誰かのために店を開けています。さあ、いらっしゃい。超絶技巧のトロトロ卵で、きっと元気になれますから。
【エキナカ書店大賞】受賞作!(第一位)だそうである。ファーストフード丼店の愛すべき店長たちが繰り広げる笑えて泣けて美味しいトラブルが8編のエピソードとして紡がれた短編集。
山本幸久氏のお仕事小説は安定のおもしろさです。『ある日、アヒルバス』『カイシャデイズ』『笑う招き猫』等々、山本氏の小説を読むのはかれこれ九冊目になる。これまで一冊も外れ無し。どうやら私は山本氏の描く(特にお仕事がらみ)小説の世界が大好物なようである。登場人物に注ぐ山本氏の温かいまなざしは心をほっこりと温めてくれ、ささくれだった心を溶きほぐしてくれる。