佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『ライトニング』(ディーン・R・クーンツ:著/野村芳夫:訳/文春文庫)

『ライトニング』(ディーン・R・クーンツ:著/野村芳夫:訳/文春文庫)を読みました。

 まずお断りしておきます。この本をこれから読もうとされるならば、このブログはお読みにならない方がよろしいかと思います。読んでの驚きが半減します。前半の疑問??と、後半のえぇっ!そうなの?!という驚きこそがこの小説の値打ちなのですから、予備知識は持たずに読まれることをおすすめします。

 そうはいっても実は私、20年ばかり前に一度本書を読んでいるので、このたびが2回目。再読であっても充分楽しめる作品ではあります。

 出版社の紹介文を引きます。

いまは流行作家としてときめくローラ・シェーン、かつては孤児院で辛酸をなめた薄倖の美少女だった。これまでの生涯、何度か人生の危機や事故に見舞われそうになったが、そのつど、どこからともなく立ち現われて危難から救ってくれた“騎士”がいた。そのたびに、空には閃光が…。ジャンルを超えた傑作スーパー・スリラー。

 

ライトニング (文春文庫)

ライトニング (文春文庫)

 

 

 本書の魅力は端的に言って4点。天涯孤独の身になった美少女の行く末への興味。少女のピンチのたびに閃光と共に現れる騎士の正体。タイムパラドックスをかいくぐっての正義と悪の虚虚実実の戦い。ヒトラーチャーチルを物語に登場させるほどの壮大な意外性。

 なにしろ孤児ものとタイムトラベルものという読者を惹きつけてやまない要素が合体しているのでエンタテインメントとして超一級の作品です。