佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『漆黒の霧の中で - 彫師伊之助捕物覚え』(藤沢周平・著/新潮文庫)

『漆黒の霧の中で - 彫師伊之助捕物覚え』(藤沢周平・著/新潮文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 竪川に上った不審な水死人の素姓を洗って、聞きこみを続ける伊之助の前にくり広げられる江戸の町人たちの人生模様―。そして、闇に跳梁する謎の殺人鬼による、第二、第三の殺人―。伊之助の孤独な探索は、大店の主人や寺僧たちの悪と欲の世界を明るみに出すが…。元は凄腕の岡っ引、今は版木彫り職人の伊之助を主人公とする、絶妙の大江戸ハードボイルド。シリーズ第二弾。

  

漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)

漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)

 

 

 川に経師職人の死体があがった。たまたまその場を通りがかった伊之助はその様子を見た。殺しであった。二度と十手を握る気のない伊之助であったが、同心の石塚から探索の手伝いを頼まれ仕方なく引き受けた。探索をするうち伊之助が命を狙われる。殺しの裏には何かがある。さらに殺しが続く。なめるんじゃねぇ! 元十手持ちの伊之助の心に火がついた。恋物語も人情噺も盛り込まず、乾いたタッチで事件の真相を探っていく。藤沢さんには珍しいパターンかもしれませんが、これもまた良し!