佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2019年2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:16
読んだページ数:3538
ナイス数:1893

 

 2月は木村衣有子さんのリトルプレス4冊が混じっているとはいえ16冊。よく読みました。ちと躁状態になっている。気をつけねば体調を崩しそうだ。もうすぐ春。鬱々とした気分は何としても避けねばなるまい。春眠暁を覚えずという。もう少し寝ることを心がけたい。しかし、どれをとってもおもしろい本ばかりであった。

のんべえ春秋4のんべえ春秋4感想
4号にもステキな酒器が登場。『アトリエ七緒』の“酔う徳利”が良い感じだ。冷たさと柔らかさを併せ持った白。抑制のきいた色っぽさを感じる名器であることは写真を見ただけで伝わってくる。秋田県横手を訪ねることがあればぜひとも『アトリエ七緒』に寄ってみたい。ステキな酒器といえば「やきものコラム 鋳込みから汽車土瓶への旅」に大阪の酒器専門骨董店『はこ益』という店が出てくる。私の勤務先の西天満にあるではないか。これは是非とも覗いてみなければなるまい。第5号『どこでもビール号』も手元にあるが、これは夏まで寝かしておこう。
読了日:02月28日 著者:木村 衣有子


のんべえ春秋3のんべえ春秋3感想
記事を読んで「酒器今宵堂」の器が欲しくなりHP覗くもほとんどが売り切れで半年以上待つ必要があるそうです。残念。しかし、次に京都をサイクリングするときにでも工房を訪れてみたい。関東を中心に揚げ玉を載せたうどんが「たぬきうどん」。しかし大阪で「たぬき」といえばおあげさんが入った蕎麦のこと。さらに京都で「たぬきうどん」といえばおあげが刻んで入ったあんかけうどんのこと。ええい、ややこしい! 世間には「たぬきケーキ」なるものがあるらしい。「全国たぬきケーキ生息マップ」によると兵庫県には二匹しか生息していないようだ。
読了日:02月24日 著者:木村 衣有子


ことり (朝日文庫)ことり (朝日文庫)感想
小川さんの「やさしさ」について少し書いておきたい。小川さんはお兄さんにも小鳥の小父さんにも、唐突な死を与えた。世の中はその片隅でひっそりと暮らすか弱き者にしばしば過酷で在ろうとする。放っておいてくれないのだ。それが世間というものなのだが、唐突な死によってそんな世間から隔絶され、平穏をとりもどすことができたのではないか。そしてもうひとつ、小鳥の小父さんがうら若い司書の女性に出会うエピソード。女性は小鳥の小父さんの特別なところ、佳き特質に気づいた人であった。小鳥の小父さんの人生に花が添えられたように感じる。
読了日:02月23日 著者:小川洋子


スティグマータ (新潮文庫)スティグマータ (新潮文庫)感想
期待に違わぬ面白さ。ツール・ド・フランスの緊迫した内幕を選手の視点で描ききっています。物語の肝になっているのはロードレースが実はチーム競技なのだということ。そしてレースの過酷さは体力的にピークを越えた選手にとって意欲や経験でカバーできるほど甘いものではないという現実。ステージ優勝のチャンスを目の前にしたチカがとった行動に心が震えた。気になるのはチームメイトのアルギの妹ヒルダの存在。想像するだに魅力的なヒルダが次作以降でどのように物語にからんでくるのか、ひょっとして・・・と期待は高まる。
読了日:02月22日 著者:近藤 史恵


センネン画報 +10 yearsセンネン画報 +10 years感想
今日さんによると、「言葉にならないきらめきや揺らぎを、描いていけたらいいなと思います」とのこと。既刊の『センネン画報』と多くは同じものが収録されている。しかし校正も新たに、未収録作品も収められている。なにより嬉しいのは『センネン画報』では一部だけがカラーであったのが、本書ではオールカラーになっていること。眼福である。カーテン、風、靴紐、傘、はさみ、カメラ、付箋、マフラー、そして水。今日マチ子さんの青い世界ふたたび。
読了日:02月17日 著者:今日 マチ子


センネン画報センネン画報感想
「冬 春よりも あたたかかった」という言葉にはっとする。白と淡い青の世界。風とカーテン、カーテンに隠れた世界、隠れているのに目をそらせなくてはと焦る。日常にあるちょっとエロティックでドキリとする瞬間。こんな感性を持つ作者は、同じ時代を生きていても、私とはまったく違う世界を生きている。
読了日:02月17日 著者:今日 マチ子


わが心のジェニファー (小学館文庫)わが心のジェニファー (小学館文庫)感想
ニューヨーク育ちのアメリカ人青年ラリーが日本を旅して、日本の文化に驚いたり感動したりする姿をユーモアを交えて描いている。日本のことをよく知っているはずの我々が、案外その良さを意識しておらず、外国人の目を通してみて改めて再認識するという構図がおもしろい。まさに日本再発見。小説の出来としては上々と言いがたいが、著者の慧眼に舌を巻く。
読了日:02月15日 著者:浅田 次郎


獅子吼 (文春文庫)獅子吼 (文春文庫)感想
泣かせ屋浅田の短編集とあって、大いに期待して読んだが、泣けるものあり、それほどでもないものもある。「獅子吼」「流離人(さすりびと)」の2篇は反戦もの。こういうものはいかにも新聞が褒めそうでいやだなあ。とはいえ、「獅子吼」は浅田氏らしさが出た良作。「うきよご」こういうややこしい小説は文学好きが褒めそうな話である。私としてはもっとシンプルに情に訴えるものが浅田氏らしいと思うのだが・・・「帰り道」におやっと思うような味わい深さがあって良かった。
読了日:02月11日 著者:浅田 次郎


これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 4 (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 4 (集英社オレンジ文庫)感想
本巻はちょうどバレンタインデーにちなんだ話となっている。第三話「本命は落ちません、義理なら落ちます」、第四話「正しければ勝つわけではないのなら、正しさに何の意味がある」はなかなか含蓄のある題名だ。  沙名子の好きな言葉は「イーブン」。釣り合って安定していること。毎日、借方・貸方を意識している女史らしい。職場は戦場ではない。人は誰でもデコボコしているものだが、差し引きゼロになればよしとする。私も心にと留めておこうと思う。
読了日:02月11日 著者:青木 祐子


これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 3 (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 3 (集英社オレンジ文庫)感想
人生いろいろ、社員もいろいろ。だいたいの社員は入社すると少しずつずるくなる。経理女子から見る社内の人間ドラマはおもしろい。いつのまにやら私、森若沙名子さんに「ホ」の字でございます。
読了日:02月10日 著者:青木 祐子


風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室 (集英社オレンジ文庫)風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室 (集英社オレンジ文庫)感想
2時間モノのTVドラマに出来そうな小説。気楽に楽しませていただきました。好き嫌いが分かれるところが入浴剤研究開発員の鏡美月の存在。年齢20代中ごろの理系女子、かなりの美人でスタイル抜群だが、若い女の子の可愛さを持たないという設定。男に対して科を作らないのである。いや意識してそうしているのではなく、多くの女性がそのような行動をとるのをそもそも理解できないのである。他の人はどうだか知らないが、私のツボにはまっています。かなり萌えます。(笑)
読了日:02月07日 著者:青木 祐子


これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 2 (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 2 (集英社オレンジ文庫)感想
前作1を読んだのが2016年11月5日のこと。もう2年以上前のことになるのか。月日が経つのは早い。おぉ、そういえばこの小説は『風呂ソムリエ ~天天コーポレーション入浴剤開発室~』からのスピンアウト小説であった。読もうと思って購入したきり積読本になったままではないか。2年間も本棚で手に取られるのを待っておったのか。すまぬ。明日からはこれを読もう。  天天コーポレーションにはどこの会社にでもある小さな事件が起こる。しかしそこはけっして魑魅魍魎の住処ではなく、地味だがイイ会社だ。続編も当然読む。
読了日:02月05日 著者:青木 祐子


ときどき旅に出るカフェときどき旅に出るカフェ感想
カフェを舞台にしたコージー・ミステリ。私にとっておいしいミステリの代表は近藤史恵「ビストロ・パ・マルシリーズ」、北森鴻「香菜里屋シリーズ」、柏井壽「鴨川食堂シリーズ」である。そのどれもがよだれを垂らしながらストーリーに引き込まれる醍醐味を存分に味わわせてくれる。本書はカフェが舞台で、味に関しては飲み物やスイーツが中心。酒飲みの私としては若干的外れではある。しかし辛党の私にもスイーツのおいしさを想像させ、食べてみたいとおもわせるところは流石です。
読了日:02月04日 著者:近藤 史恵


おいしい旅: 夏の終わりの佐渡の居酒屋 (集英社文庫)おいしい旅: 夏の終わりの佐渡の居酒屋 (集英社文庫)感想
例によって読み終えた後は行きたい居酒屋、食べたい食堂につけた付箋が数知れず。情報を記録しGoogleマップに☆印を付けるのに忙しい。次に京都に行ったときに「ハマムラ」の中華にするか「千登利亭」の鯖寿司にするか、はたまた祇園「平安」のカラシソバにするか迷うところ。  信州松本にも行くべき居酒屋が新たに紹介された。「満まる」である。もうまったく太田さんは追いかけてもとうてい追いつけそうもない。
読了日:02月03日 著者:太田 和彦


のんべえ春秋 2のんべえ春秋 2感想
今号で紹介される酒器は大治将典さん「JICON」のぐい飲み、二上と組んで作った栓抜き。すばらしい。私は大治氏のデザインに富山の「能作」で出会った。これからも注目して、気に入りのものが見つかれば使いたい。富山は高岡の居酒屋「かめ蔵」で大治氏デザインの器で酒を呑むのもいいなぁ。夏にでもいってみるか。
読了日:02月03日 著者:木村衣有子


のんべえ春秋のんべえ春秋感想
「のんべえによるのんべえのための本」というのが良いではないか。紹介された酒器「左藤吹きガラス工房」の居酒屋コップとワインコップが欲しくなり、工房のHPを訪問してみたが”SOLD OUT”であった。いずれ手に入れることにして、とりあえず「ロートグラス」と「酒ピッチャー」を発注。素朴な手作り感と機械を使わない故のひとつひとつの”ゆらぎ”ともいうべき個性がたまらなく魅力的なのだ。酒場小説「ホシさんと飲んでいる」にでてくる居酒屋で文庫本を読んでいる人は私のことでもある。「気取りやがって」と思われているのかなぁ。
読了日:02月02日 著者:木村衣有子

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