『氷の闇を越えて ”A Cold Day in Paradise"』(スティーヴ・ハミルトン:著/越前敏弥:訳/ハヤカワ文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
わたしの心臓のそばには銃弾がある。14年前、警官時代にローズという男に撃たれたときのものだ。最近、私立探偵となったわたしの身辺で連続殺人が起き、自宅にローズと署名のある手紙が届いた。手紙には殺人は自分の犯行だとあった。刑務所にいるはずの男がなぜ?わたしは深い謎へと踏みこむが…探偵マクナイト登場。アメリカ探偵作家クラブ賞、アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作。私立探偵小説コンテスト最優秀作。
著者の最新作『解錠師』を読み、再読したくなり本棚から取り出した。読んだのはいつだったか。おそらく十数年前のことだっただろう。再読であっても緊迫感をもって読ませるところは流石。極上のハードボイルドです。若き日の挫折。人生を変えてしまった出来事とそれによって受けた心の傷。そこから立ち直ろうとする克己心。繊細で弱い面を持つ人間でありながら、あるべき自分を追い求める姿に魅力を感じ、思い入れたっぷりで読みました。シリーズ第二作『ウルフ・ムーンの夜』も読もう。