『新版 落語手帖』(矢野誠一・著/講談社)に紹介された274席のうちの56席目は『蛙茶番』。別名『舞台番』。六代目三遊亭圓生で聴きます。
素人芝居で蛙の出番なのに蛙が出てこない。早く出るよう催促したら蛙役の定吉が「へへ、出られません。あそこで青大将が狙ってる」というオチ。この青大将というのが●●●だというから些か下品な噺。そんな噺も六代目圓生が演ると下品に流れないから不思議。
余談だがこの噺は歌舞伎狂言の『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』にからめた生粋の江戸落語である。天竺徳兵衛は播磨国加古郡高砂町(現在の兵庫県高砂市)の生まれ。高砂市高砂町横町の善立寺に墓所が残っている。