佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『背いて故郷』(志水辰夫・著/新潮文庫)

『背いて故郷』(志水辰夫・著/新潮文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 第六協洋丸、仮想敵国の領海に接近するためのスパイ船。柏木はその仕事を好まず、親友・成瀬に船長の座を譲った。だが成瀬は当直中に殺されてしまう。撮影済みのフィルムを奪われて。禁忌に触れてしまったとでもいうのか?柏木は北の大地を餓狼の如き切実さで駆けめぐった。ただ真相に迫りたかったのだ。彼の前に立ちはだかるのは〈国家〉、そして――。日本推理作家協会賞受賞作。

 

背いて故郷(新潮文庫)

背いて故郷(新潮文庫)

 

 

 

 志水辰夫氏の初期三部作と称される一作。やはりラストの叙情性がたまらない。シミタツ節全開である。主人公が男くさい。というかオッサンくさい。しかも面倒くさい性格でもある。直木賞候補には挙がったらしいが、そのあたりに難があったかと思う。しかし、それにしてもシミタツらしい。好きだなあ。