2019/08/20
本日より壱岐島に向かってクルーズ。にっぽん丸を借り上げた姫路港発のクルーズに参加するのである。にっぽん丸にはもう何度も乗っているが、こうしてみるとやはりでかい。乗客は370人ほどらしい。ツアー会社の添乗員や船の乗員を含めるとかなりの数が移動することになる。
雨は上がっていたが出発時点の天気は優れない。しかし出航し西へ進むとともに天気はどんどん良くなっていく。そうなのだ。私は晴れ男。旅行中の雨にはほぼほぼ無縁の男なのだ。
いつもベランダ付きの部屋を予約する。船内のショーやアトラクションも楽しいが、私はベランダに設えられた椅子に腰掛け、酒を飲みながら本を読む。本から目を上げると碧い海原に浮かんでいるような瀬戸内の島々。これこそクルーズの醍醐味なのだ。家の本棚から選んできたのは『朝日ビジュアルシリーズ_週刊・司馬遼太郎街道をゆく』(Vol.17壱岐・対馬の道)、『風のかなたのひみつ島』(椎名誠・著/垂見健吾・写真_新潮文庫)、『貝がらと海の音』(庄野潤三・著_新潮文庫)の三冊。船内に図書室もあるが、私は普段から本を持ち歩くのだ。そうしなければどうも落ち着かない。旅に出る朝、本棚の未読本エリアをひととおり見渡し、持っていくものを選ぶのはワクワクする作業でもある。酒は部屋の冷蔵庫でよく冷えているビールと焼酎。焼酎は鹿児島は大海酒造の本格焼酎「にっぽん丸」。当然、芋焼酎である。
船はどんどん西へ進む。時間とともに青空が見え始める。今回のクルーズも天気に恵まれた。私はクルーズに限らず、サイクリングでも不思議と天気に恵まれる。旅行に出る3日前ぐらいまでは悪天候が予測されていても、旅行当日には天気予報が変わってそこそこ良い天気になったなんていう経験は山ほどある。3年前にこのにっぽん丸で種子島にクルーズしたときなど、北上して島に向かっていた台風が、我々が姫路港を出発するころにはUターンして南下しはじめたのである。そして我々が種子島を一日観光して回る間は雨は降らず、種子島を出港する頃に台風がふたたび北上しはじめ雨が降り始めた。この経験は私に晴れ男としての強固な自信をもたらした。
と言うわけで、瀬戸大橋をくぐる景色も素晴らしいものとなった。
にっぽん丸でスルーズする楽しみの一つは食事である。これはかなりポイントが高い。
まずは酒を選ぶ。オススメに従ってまずは「まんさくの花 愛山」、続いて「ゆきの美人 夏吟醸」と飲み進め、食事終了間際には近くのテーブルの知人から「王祿」を差し入れてもらった。うーんうまい!
「小エビとフォアグラのラビオリ仕立て」
すばらしい味。ちょこんと載ったイタリアンパセリのアクセントも楽しい。
「徳島県産鱧の落としと焼き茄子のサラダ仕立て ソースじゃポネーゼ」
今の時期はやっぱり鱧。付け合わせの野菜の種類の多さにびっくり。ミニミックスリーフ、イエロー人参、コーンスプラウト、デトロイトエディブルフラワー、青芯大根、紅しぐれ大根、レッドダンデリオン、マイクロトマト、ピリカラミズナ、アマランサス、ピーテンドリル。抜けてないか?
トウモロコシもまさに旬。文句なしにうまい。小口切りにしたシブレットがアクセント。
「鱸の香草焼きとホタテ貝柱のポワレ ほうれん草とトマトのソースで」
香ばしく焼かれた鱸がうまい。二色のソースの色鮮やかさも見事。鱸の下にクスクスが敷かれていた。リーク(西洋ネギ)のフライとチャーピルが香りのアクセント。
「鹿児島県産黒毛和牛フィレ肉の網焼き 本山葵添え 杉樽醤油ソース」
これはうまい。文句なしにうまい肉です。感動的にうまい。付け合わせの野菜はロマネスコ、エリンギ、ヤングコーン、人参、クレソン。
「サラダ南京とグラパラリーフのサラダ フルーツビネガードレッシング」
サラダ南京もグラパラリーフも食感が楽しい。グラパラリーフなるものをはじめて食べたが、サボテンみたいな印象。といってもサボテンを食べたことはないが。サクッとジューシーな味わい。他にもラディッシュ、ベビーリーフ、渦巻きビーツが入っている。ドレッシングが柔らかい酸味で穏やかなおいしさ。
「ローストビーフ」
メニューにはないが、にっぽん丸の洋食ディナーでは必ず振る舞われる名物。けっこう厚く切ってあるので一枚だとボリュームがありすぎるぐらい。量的には半分でちょうど良い。しかし「一枚」といってしまうんだなぁ。これをいただくのがにっぽん丸乗船の愉しみ。
デザート「薔薇の香りのチーズムース ナッツアイスクリーム添え 赤肉メロン 巨峰」
ちなみにつれ合いのデザートは「ピーチムースと栗のアイスクリーム ワッフルを添えて 温かいカシスのソースで」
また肥ってしまった。