佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

大阪阿倍野「明治屋」、難波「山三」をはしご

 あこがれの酒場、酒飲みの聖地、大阪阿倍野は「明治屋」で酒を飲んだ。太田和彦氏の本で紹介されているのを読み、以前から一度行ってみたいと思っていた店だ。
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 地下鉄谷町線阿倍野駅を降りてすぐ、その店はあった。その佇まいからして酒飲みの心は千々に乱れる。思い焦がれていた女性にやっと巡り会えた気分である。初めてなのに何故か懐かしい。
 格子戸を引くと右手にカウンター、左手に4人掛けのテーブル。5時頃に入ったのだが、すでにカウンターは満席で、一番奥のテーブルに席を取った。カウンターの中に大将が一人。姐さんが一人。忙しく客の注文を受けている。湯豆腐、よこわの刺身を注文。酒は燗酒だ。この燗酒は樽に入れてあるのだろう、かすかに木の香りがする。注文してすぐに酒もあても出てくるのが良い。愛想は全くない。注文も通っているのか?と疑問を持つが、きっちり正確に聞き取ってくれているようだ。
 各地の銘酒も置いてあるので冷やも飲んでみる。まずは「神亀」。旨味たっぷりの良い酒だ。次は相席になった方のオススメで「八海山」。すっきりとキレの良い酒だ。きずしにあう。「真澄」も飲んでみた。これはやや小振りのグラスででてきた。ツイーっと入る。やっぱり美味い。他にも「大山」「男山」「美少年」「秋鹿」など品揃えもなかなかだ。果てしなく飲んでいきたいが、店も混み合ってきた。そろそろ腰を上げるかと思っていると、相席の方が「お酒が好きなら、難波にある『山三』に行ってみたら?」と仰る。旨い日本酒を良心的な値段で飲ませてくれるらしい。場所を訊き、行ってみることにした。
 「山三」は難波・新歌舞伎座の左手の路地を入ったところにあった。入ってみるとカウンター席のみ。庶民的な雰囲気で、美味い地酒を手ごろな価格で飲ませてくれる。「十四代」「奥播磨」美味い酒が所狭しとおいてある。私は思わず「てってっ天国や〜」とつぶやいた。横に座る同行者は普段ビールしか飲まない若者だか、さすがに良い酒はわかるらしく、ホワイトボードに書いてあるオススメ酒を次々と注文している。
 「明治屋」で袖ふれあった見知らぬお方、良い店をご紹介くださりありがとうございました。思わぬ発見があった良い一日になりました。