『親不孝長屋』(人情時代小説傑作選)★新潮文庫 を読み終えました。私の好きな市井もの時代小説です。5人の作者の手になるアンソロジー。市井もの時代小説で5人の作者を選ぶとしたら、普通、藤沢周平がその一人に選ばれそうなものだが、藤沢氏を敢えて外している。しかも、なんと取りをつとめるのは宮部みゆき女史だ。その作品「神無月」がまたいい話で・・・あっぱれだ。
裏表紙の紹介文を引用する
岡場所上がりの継母と継子のすれ違い(「おっ母、すまねえ」)。妹弟から冷たい仕打ちを受ける行き遅れの長女の行く末(「邪魔っけ」)。料理屋に奉公した十七の娘とワケありの老父とに降りかかる難儀(「左の腕」)。元芸妓の女房を持つ棒手振り魚屋の定次郎は、実は大店の次男坊(「釣忍」)。病弱な八つの娘のいる畳職人は高額の薬代を稼ぐために……(「神無月」)。感涙必至、傑作人情時代小説五編を厳選。
私のお薦めは第4話「釣忍」。さすが山本周五郎氏、イイ話です。
紹介文に偽りなし。泣けます。