佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

ウェルズのウェルズ的一曲 Vol.0001 『WALK ON / U2』

"Stay Safe Tonight." 今宵は安らかに

 最近よく”You Tube”を視ている。お気に入りのバンド、懐かしい曲を思いつくまま検索するといくつもの動画が出てくる。プロモーション・ビデオであったり、個人が編集したものであったり、LIVEであったり様々だ。
 また、車を運転しているときは大抵FMラジオを聴いている。流れてきた曲が気に入るとその時間をメモして、後で局のHPで曲名とアーティストを調べたりもする。そんなふうにして音楽は私の日常に美しい色彩を与えてくれる。
 そんな私のお気に入りの一曲を今日から日記に記録していこうと思う。この記録に意味はない。何らかのメッセージ性を持たせるつもりもないし、あくまで私的なものである。強いて言えば私のお気に入りの曲を誰かが聴いて下さって「あっ、これイイ」と共感していただけるならちょっぴりうれしいと言ったところ。
 番号に4桁を割り振ったので9999件まで紹介できるが、そんなにお気に入りの曲があるかどうか。第一、4桁を使い切るほど長生きできるとも思えない。 

 さて、Vol.0001はU2の『WALK ON』です。最初に書いた"Stay Safe Tonight." は『WALK ON』の歌詞の一節です。この曲はミャンマーの非暴力民主化運動指導者で、1991年ノーベル平和賞受賞したアウンサンスーチーに捧げた曲。それ故、ミャンマーではこの曲が収録されているアルバム”All That You Can't Leave Behind”が放送禁止にされている。ミャンマーでは同アルバムや同曲シングルなど関連作品をミャンマーで所持しているだけで刑務所に送られる。

All That You Can't Leave Behind

All That You Can't Leave Behind

 アウンサンスーチーさんは「ビルマ建国の父」としてミャンマー国民から敬愛されるアウンサン将軍の娘。父アウンサン将軍はイギリスからのビルマ独立を主導し、独立を目前にして暗殺された伝説的人物である。スーチーさんは1964-67年にイギリスに留学しオックスフォード大学で哲学を学んだ。1972年にオックスフォードの後輩のマイケル・アリスと結婚し、二人の息子に恵まれ、誕生日にはお互いに一輪の花を贈るのが決まりだった。そんな幸せな生活も1988年4月、ビルマに病気の母を看護するために帰郷したことがきっかけとなり、大きな変化を余儀なくされる。折しも学生を中心に始まった反政府運動が激化し、スーチーさんはアウンサン将軍の娘であったが故に民主化の象徴となる。しかし、国軍のクーデターによって誕生した軍事政権によって民主化運動は徹底的に弾圧され、ついに1989年7月にスーチーさんは自宅軟禁されてしまう。スーチーさんは国外退去を条件に自由を認めるともちかけられたが、それを拒絶したと言われている。最愛の夫と二人の子のいるイギリスには帰らなかったのである。1999年3月、夫が前立腺がんに冒されたが、再入国拒否の可能性があるスーチーは出国せず、夫妻は再会することなく夫は死亡してしまう。今もスーチーさんは民衆の前に立ち、祖国の民主化のために戦い続けている。そんな彼女の髪には花が飾られている。その花は亡き夫と誕生日に贈り合った思い出の花である。
”All That You Can't Leave Behind”貴女が置き去ることの出来ないもの、

アウンサンスーチーさんには置き去ることができないものがありました。ミャンマー民主化を希求する全ての人に、そして、その先頭に立つアウンサンスーチーさんに・・・
"Stay Safe Tonight." 今宵は安らかに

この曲を「You Tube」で視るには、
http://jp.youtube.com/
で、U2 walk on international と入力して検索してみて下さい。

ビデオ中、ヴォーカルのボノが着ているTシャツにはアウンサンスーチーさんの顔がプリントされています。

You Tube」の動画を直接貼り付けることも出来るのですが、著作権の問題もあるように聞きますので、お許し下さい。