死んだらいややき。
うちを嫁さんにしてくれる約束、
破ったら許さんきに。
- 作者: 山本一力
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/09/28
- メディア: 文庫
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『いっぽん桜』を読みました。
裏表紙の紹介文を引きます。
仕事ひと筋で、娘に構ってやれずにきた。せめて嫁ぐまでの数年、娘と存分に花見がしたい。ひそかな願いを込めて庭に植えた一本の桜はしかし、毎年咲く桜ではなかった。そこへ突然訪れた、早すぎる「定年」…。陽春の光そそぐ桜、土佐湾の風に揺れる萩、立春のいまだ冷たい空気に佇むすいかずら、まっすぐな真夏の光のもとで咲き誇るあさがお。花にあふれる人情を託した四つの物語。
山本一力氏による四つの短編です。
1.いっぽん桜
2.萩ゆれて
3.そこに、すいかずら
4.芒種のあさがお
それぞれ山本氏らしい人情に溢れたすばらしい作品です。
実は「いっぽん桜」を読むのは二度目です。おなじく新潮文庫から発刊されている『たそがれ長屋』に収められている一編なのです。『たそがれ長屋』は老いをテーマに傑出した作品を選んで一冊の本にまとめた短編集です。再度読み返しても色あせることなく、かえって味わい深くなります。
http://hyocom.jp/blog/blog.php?key=67010
秀逸なのは「萩ゆれて」
題名には「萩」、主人公の名は「兵庫」、物語の舞台となるのは「土佐」という作品。 (^o^)
廻りの反対を押して武士の暮らしを捨て、見初めた漁師の娘と添い遂げる若者の姿を著したハートウォーミングな話です。私はこうしたハッピーエンドが大好きです。