佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2月の読書メーター

2月の読書メーター

読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4913ページ

冬の間はバス通勤なので、けっこう読みました。

3月に入れば自転車通勤復活。

量は減ってしまいます。

 

近藤史恵さんの『サクリファイス』、有川浩さんの『塩の街』がよかった。

今後、他作を読み進めるつもりです。

女流作家に楽しみな人が増えてきていますね。


日本を讒(ざん)する人々日本を讒(ざん)する人々
タイトルにある「讒(ざん)する」とは「事実を曲げて人を悪く言い、人を貶める」という意味だそうです。渡辺昇一氏、金美齢氏、八木秀次氏のお三方が鼎談で日本を讒する人を名指しで指弾します。私は三氏が本書の中で事実として語っておられることの当否をつぶさに検証する手段を持ちません。しかし、これまでテレビ、雑誌などで三氏の仰ることを聴いてきた経験から、このお三方が邪(よこしま)な人でないことは判っているつもりです。加えて、本書に書かれていることの基本的なところ、謂わば根底に流れる考え方は全く当を得ていると思います。
読了日:02月28日 著者:渡部 昇一 金 美齢 八木 秀次


小石川の家小石川の家
日常の全てにおいて家族に対し教養と高尚さをもって生きることを科し、安直な卑俗性を憎んだ祖父・露伴は、幼い孫・玉にさえ思慮深くきちんといきることを求める。母・文もそのような露伴の意に沿って娘を厳しく躾ける。ここに現代に生きる私たちが忘れかけている生き方があります。その忘れかけている生き方とは、たとえば「長幼の序」であり「凛と背筋を伸ばした生き方」です。この本を読み一昔前の凛とした生き方に触れるにつれ、私たちが失いつつある「気高さ」という価値観が呼び覚まされます。読み終えてなんと清々しくなることか。
読了日:02月27日 著者:青木 玉


それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)
この小説の登場人物の良いところは、誰もが自立して生きていること。他人と絶妙の距離をとり、人の負担になるほどくっつきすぎず、寂しいほど離れすぎない。その距離は「ヤマアラシのジレンマ」と呼ばれる心地よい距離。「自己の自立」と「相手との一体感」という2つの欲求、それを、ことさらに主張することなく、人に押しつけることなく、唯々、生真面目に大切にして生きていく。この小説の中では、みんな大人だ。子供でさえも。
読了日:02月22日 著者:吉田 篤弘


さまよう刃 (角川文庫)さまよう刃 (角川文庫)
この小説を読んでいる間中、私は救いを求めていました。救いなどないことが判っていながら。しかし私は娘を獣に殺された父親になんとか救いをと、作者・東野氏に対し心の中で手を合わせていました。そう、私はたとえば藤沢周平氏が小説の中で、主人公の下級武士に一分をたててやるように、割り切れない悲しみの中にも何らかの救いを用意してやって欲しかったのです。小説中、東野氏は主人公・長峰重樹に次のように語らせます。「法律は人間の弱さを理解していない」と・・・
読了日:02月20日 著者:東野 圭吾


ひと粒の宇宙 (角川文庫)ひと粒の宇宙 (角川文庫)
短い物語だけにエッセンスが抽出され裸の作者が見えるような気がする。私が好ましいと思ったのは「ミケーネ(いしいしんじ)」、「おねがい(石田衣良)」、「パリの君へ(高橋三千綱)」、「曇ったレンズの磨き方(吉田篤弘)」。逆にそうでもないなと思えるのは、「永遠の契り(歌野晶午)」「凍りつく(高橋源一郎)」といったところ。作品の優劣ということではなく、あくまで好みの問題ですが・・・・・
読了日:02月19日 著者:堀江 敏幸,嶽本 野ばら,勝目 梓,西村 賢太,吉田 篤弘,佐野 洋,片岡 義男,橋本 治,古川 日出男,高橋 三千綱,矢作 俊彦,石田衣良 はじめの全30,平野 啓一郎,重松 清,高橋 克彦,大岡 玲,いしい しんじ,石田 衣良,又吉 栄喜,佐伯 一麦


夢見る黄金地球儀 (創元推理文庫)夢見る黄金地球儀 (創元推理文庫)
「アイという最後の謎」が解けてませんで、海堂はん。殺生でっせ。今夜眠れませんがな・・・
読了日:02月17日 著者:海堂 尊

 

 


田中真紀子の正体田中真紀子の正体
虚像と実像。気になるところです。
読了日:02月14日 著者:上杉 隆

 

 


海の底 (角川文庫)海の底 (角川文庫)
これで有川浩さんの自衛隊三部作の全てを読んだことになる。すっかり有川さんにはまってしまいました。読者を物語に引き込む力は天性のものか。キャラクターに魅力があり親しみやすいので読み始めるなり入りこんでしまった自分に気づく。例によって初々しいというか、イジイジとじれったいというか、有川さんお得意のやきもきした恋もこの小説の魅力です。
読了日:02月13日 著者:有川 浩


しあわせ食堂しあわせ食堂
この本の最大の特徴は奇人にして天才、異端にして反俗の画家、武内ヒロクニ氏の挿絵です。色遣い、構図が大胆でページを捲るたびに「おっ!」と目を奪われます。その絵はヒロクニ氏の奥様(幸穂里さん)がテーマとなる食べ物を料理され、それを題材にヒロクニ氏が描かれたらしい。画の下には奥様が書かれたひとこと日記が掲載されていて、それを読むとお二人の様子が垣間見えて微笑ましい。
読了日:02月11日 著者:武内 ヒロクニ,毎日新聞夕刊編集部


サクリファイス (新潮文庫)サクリファイス (新潮文庫)
本書は読者の想像を超える意外な結末を用意した優れたミステリであり、読み進むとともに緊迫感が深まる極上サスペンスであり、若者の微妙な心の揺れを描いた青春小説であり、気高き男を描いたハードボイルド小説である。
読了日:02月10日 著者:近藤 史恵


ひとりガサゴソ飲む夜は・・・・・・ (角川文庫)ひとりガサゴソ飲む夜は・・・・・・ (角川文庫)
このエッセイの中で人間が一生の間に飲めるビールの量はせいぜい25メートル・プール一杯分しかないというくだりがある。それを夜中にビールを飲みながら読みつつ、本棚から村上春樹氏の『風の歌を聴け』を持ってきて「一夏中かけて、僕と鼠はまるで何かに取り憑かれたように25メートル・プール一杯分ばかりのビールを飲み干し、「ジェイズ・バー」の床いっぱいに5センチの厚さにピーナッツの殻をまきちらした」と書いてあるのを確認し、「村上はん、大法螺でんな~、ウシシッ!(^o^)」などとツッコミを入れている私はつくづくアホだと思う
読了日:02月08日 著者:椎名 誠


塩の街 (角川文庫)塩の街 (角川文庫)
この小説に出てくるカップル「秋庭と真奈」「由美と正」は今風のカップルながら、そのメンタリティーはけっこう古風ですね。『空の中』に出てくる「瞬と佳江」「高巳と光稀」もそうでしたけど。言いたいことを言えない、近づきたいのに近づけない、お互いをかけがえのない存在として大切に思いながら、お互いを思いやりすぎてぎくしゃくする。このイジイジ感がたまりません。それから、脇役で登場する入江慎吾、ナイスキャラです。海堂尊氏の小説に出てくるロジカルモンスター・白鳥圭輔にも似た圧倒的存在感。脇役が光ってるのも良い小説の条件です
読了日:02月06日 著者:有川 浩


騒乱前夜―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)騒乱前夜―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)
損得で動かず、義を見て動く。受けた恩に報いるためには命も顧みない。人情に厚く、優しき心を秘めつつも、剣は時に非情。赤目小藤次は男でござる。
読了日:02月03日 著者:佐伯 泰英


四度目の氷河期 (新潮文庫)四度目の氷河期 (新潮文庫)
父はどんな人だったのか。姿どころか名も知らない。そんな父を僕は17年と11ヶ月をかけて探し求めた。生まれながらに父のいない僕が大人に成長する姿を描く。そこにはいつも母さんがいた。そして、同級生のサチの存在があった。男の子は母を、あるいは恋する女の子を守りたいと思った瞬間から男になるのかも知れない。
読了日:02月03日 著者:荻原 浩

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