世界は言葉によって作られている。ならば、「小説」が言葉を用いるものである以上、この世界に存在するいかなることでも俺は自在に書くことを得、その営為を通じてあらゆる世界の秘密へ到達し得る。半ば無作為につながれた言葉と言葉が、にわかに燦然と輝いて指し示すものこそ、世界の秘密にほかならない。彼は満腔の自信を持って、そう言い放った。(山月記・本書23Pより)
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/03/13
- メディア: 単行本
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2010年、新春の読みはじめは『【新釈】走れメロス 他四篇』(森見登美彦・著/祥伝社)となりました。
小説を書くとは何なのか。映画を撮るとは何なのか。恋とは何か。
学生の街、京都には無駄遣いされた才能の屍が累々と積み重なっている。
その果てしない浪費の中にキラリと光る美があり、真実があり、あるいは真実と見紛う幻がある。
森見氏の小説を読むと京の街をぶらつき、才能の屍を拾い集めたくなる。
いいなあ、京都。 今年は京都をぶらつきたい・・・なむなむ!