佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『小夜しぐれ』

2011/03/18

 

「今朝買った 浅蜊の中に 迷い蟹」

 

                 (本書30Pより)

 

 

 『小夜しぐれ』(高田郁/著・ハルキ文庫)を読みました。累計100万部を売った「みをつくし料理帖」シリーズの第五弾です。

 

裏表紙の紹介文を引きます。


季節が春から夏へと移ろい始める如月のある日。日本橋伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を見るなり泣き始めた。美緒の話によると、伊勢屋の主・九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めているというのだ。それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との縁談ではないらしい。果たして、美緒の縁談の相手とは!?――(第三話『小夜しぐれ』)。表題作の他、つる家の主・種市と亡き娘おつるの過去が明かされる『迷い蟹』、『夢宵桜』、『嘉祥』の全四話を収録。恋の行方も大きな展開を見せる、書き下ろし大好評シリーズ第五弾!!


 

小夜しぐれ (みをつくし料理帖)

小夜しぐれ (みをつくし料理帖)

  • 作者:高田 郁
  • 発売日: 2011/03/15
  • メディア: 文庫
 

 


 季節はちょうど春。菜の花や浅蜊、白魚、鰊など旬の食材をつかった料理の数々。料理人・澪を取り巻く人々の人情、切ない恋心をまじえて心温まる四話が紡がれています。このシリーズにハズレはありません。今作は特に日本橋伊勢屋のお嬢様・美緒の恋に大きな動きがあった。澪が思いを寄せる小松原の心も描かれて、ふたつの恋に重きが置かれた感あり。それもまたよし。