佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

3月の読書メーター

3月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2903ページ

先月はあまり量は読めなかったけれど素晴らしい小説ばかりでした。

 


STORY BOX 15 無縁 (小学館文庫)STORY BOX 15 無縁 (小学館文庫)
桜木紫乃氏の「無縁」が新連載。これは人の生きざまを描く問題作になりそうな予感。桜木氏の小説を読むのが初めてだけに期待に胸膨らませる。
読了日:03月01日 著者:あさの あつこ,飯嶋 和一,北上 次郎,黒野 伸一,五條 瑛,桜木 紫乃,堂場 瞬一,松尾 清貴,三羽 省吾

 


ベルファストの12人の亡霊 (RHブックス・プラス)ベルファストの12人の亡霊 (RHブックス・プラス)
私、アイルランドが好きです。行きつけのパブでは、まずGUINNESS(ギネス)を飲み、その後JAMESON(ジェムソン)を飲みます。音楽は「U2」「ヴァン・モリソン」「クランベリーズ」を好みます。ピート・ハミル著『天国の銃弾』(創元推理文庫)、石持浅海著『アイルランドの薔薇』(光文社文庫)、高村薫著『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)は私の心に残るハードボイルド小説です。この度、これらラインナップに『ベルファストの12人の亡霊』が加わったことは言うまでもありません。
読了日:03月08日 著者:スチュアート ネヴィル

 


CIRCUS (サーカス) 2011年1月号増刊 京阪神の大衆酒場 2011年 01月号 [雑誌]CIRCUS (サーカス) 2011年1月号増刊 京阪神の大衆酒場 2011年 01月号 [雑誌]
パラパラとページを捲っているだけで幸せになれる本です。たまらず仕事帰りに三宮の「金盃 森井本店」に立ち寄りました。
読了日:03月17日 著者:

 


STORY BOX 16 狗賓童子の島 (小学館文庫)STORY BOX 16 狗賓童子の島 (小学館文庫)
桜木紫乃氏の「無縁」が未だ連載第二回ながら素晴らしい出来だ。「限界集落株式会社」(黒野伸一)、「偏差値70の野球部」(松尾清貴)が最高潮。続きが気になって仕方がない。
読了日:03月19日 著者:あさの あつこ,飯嶋 和一,北上 次郎,黒野 伸一,五條 瑛,桜木 紫乃,堂場 瞬一,松尾 清貴,三羽 省吾

 


忍びの国 (新潮文庫)忍びの国 (新潮文庫)
無門はお国にぞっこんである。己が生き残る術にのみ価値を置き、その他を一切顧みない忍びに身を置く無門がお国に惚れた。人を愛し思いやる心や名誉を重んじる心など忍びとして生きていくうえで何の価値も持たないばかりか、かえって邪魔になる。お国に惚れたことが無門のアキレス腱となってしまったのは必然であるが故に悲しい。無門は「嫁を大事にする男」だ。それは今や売れっ子作家となった森見登美彦氏とそのご友人明石氏、そして私めに共通する美質である。故に私は本書を読み終えたときに呟いた。「無門よ、それもまたよし!」と。
読了日:03月19日 著者:和田 竜

 


小夜しぐれ (みをつくし料理帖)小夜しぐれ (みをつくし料理帖)
季節はちょうど春。菜の花や浅蜊、白魚、鰊など旬の食材をつかった料理の数々。料理人・澪を取り巻く人々の人情、切ない恋心をまじえて心温まる四話が紡がれています。このシリーズにハズレはありません。今作は特に日本橋伊勢屋のお嬢様・美緒の恋に大きな動きがあった。澪が思いを寄せる小松原の心も描かれて、ふたつの恋に重きが置かれた感あり。それもまたよし。
読了日:03月19日 著者:高田 郁

 


旅のラゴス (新潮文庫)旅のラゴス (新潮文庫)
筒井氏お得意のギャグ、ウィット、あるいは諧謔とはほど遠い小説で。本書において主人公ラゴスは常識を大切にする極めつけの善人だ。他に対する攻撃性や棘など持ち合わせず、紳士として振る舞う真っ当な男。ややリリシズム過剰なところが格好良く、そこがまた女心をくすぐる、そんな男の一生をかけた旅を描いた物語なのだ。こんなロマンチックな小説も書かれるのですね、筒井先生。改めてスゴイ方なのだなぁと山より高く尊敬します。そしてこのSFファンタジーを海より深くしみじみと味わわせていただきました。筒井版「西遊記」とでも言おうか。
読了日:03月25日 著者:筒井 康隆

 


STORY BOX JAPAN 青森へ/ストーリー・ボックス別冊 全読み切り (小学館文庫)STORY BOX JAPAN 青森へ/ストーリー・ボックス別冊 全読み切り (小学館文庫)
青森は私にとって遠い県である。距離があるだけでなく、縁がない。青森を訪れたこともなければ、知り合いに青森県人は一人もいない。青森県と私の接点といえば、太宰を読んだことがあること、「田酒」を飲んだことがあること、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」を生で聴いたことがあること、愛読書の一冊に風間一輝氏の「男たちは北へ」があることぐらいなものだ。しかし、青森には私の心を惹く何かがある。本書は短編集として玉石混淆の感があるが、青森に行きたくなったのは確かです。
読了日:03月28日 著者:相場 英雄,井上 荒野,北上 次郎,島本 理生,嶽本 野ばら,夏川 草介,西 加奈子,森見 登美彦,森山 大道

 


武士道セブンティーン (文春文庫)武士道セブンティーン (文春文庫)
エイティーンに向けていちおう注意しておきたいのは香織が中学の剣道部で一緒だった清水の存在。ヘタレで糞握りで優柔不断、しかも中学で剣道をやめた根性なしで、さっぱり女子にモテず、いつも半分ひっくり返ったような声で喋る挙動不審男ながら女心は謎だからなぁ。案外、さっぱりと男前な性格の香織の母性本能をくすぐって……、などと勝手に妄想を膨らませている私である。誉田氏が続編『エイティーン』で清水君をどう扱うのか気になるところ。もう『武士道エイティーン』を読んでその辺りをご存じの方も多いと思われるが、教えて欲しくないぞ!
読了日:03月31日 著者:誉田 哲也