佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

最低で最高の本屋

2011/05/19

 

 

美味しい朝食に出会うとそれだけで一日がときめいてくる。

大事なのは人だと思う。人が生みだす風景だ。

                          (本書P176より)

 

 

『最低で最高の本屋』(松浦弥太郎/著・集英社文庫)を読みました。

こんな題名をつけられたら読まないわけにはいきませんね。たまたま本屋で見かけたのですが迷わず即購入しました。

 

著者の松浦弥太郎氏は1965年生まれ。暮らしの手帖編集長。COW BOOKS代表。

 

 

裏表紙の紹介文を引きます。


「本当のこと」を教えてくれない授業に違和感を感じ高校を中退し、何の目的もなく怠惰な日々を送っていた少年時代の著者。好きなことは本を読むこと。高村光太郎の詩集、そしてケルアックの『路上』。本の中に広がる世界に憧れた彼は、ひとりアメリカに旅立った。古書店カウブックスを営み、『暮しの手帖』編集長として多くの若者に支持される著者が綴った青春と「働くこと」についてのエッセイ集。


 

 本書の中で高村光太郎氏の詩「最低にして最高の道」についてふれたところがある。思春期に読み高村光太郎氏の作品の中で松浦氏がいちばん好きな詩だという。 私を本書に惹きつけた『最低で最高の本屋』という題名もここから来ているのでしょう。松浦氏はおそらくこの詩のむすびにある「最低にして最高の道をゆきたい」という言葉をずっと胸に持ち続けているのではないでしょうか。

 私がこの本の中で好きなのは「エムアンドカンパニーブックセラーズ」について書いたところよりもむしろ松浦氏が世界各地の町を歩いた随想「グッディ!地図は自分で歩いて作る」である。町が生き生きと色鮮やかに描かれているし、松浦氏がそこを歩いた時に感じていた空気が肌で感じられるような気がするからである。氏は言う、「誰かに連れられて歩くことほど不幸なものはない。その先に何があるかわからなくとも、行く道は自らが選んだ方角を歩んでいきたい。気の向いた駅で降りて、目の前の道をどこまでもまっすぐ歩いてみる。匂いや人の気配の変化に気づき、曲がりたくなったところが大抵その町のはじっこである」と。

 自由であることは最高の贅沢だ。私が自転車であちこち旅する理由もそこにあります。この本を読みながら私は、外国の町を気の向くままに歩き、ふと街角にある本屋に立ち寄り目にとまった本をぱらぱら捲る。そんなことを夢見ました。

 

 ちなみに世界で一番美しいと言われる本屋がブログに紹介されています。本屋ってのは本当に素敵だ。

 

 

http://aiharap.exblog.jp/14079299/

 

http://blogs.yahoo.co.jp/kunporu/28841638.html