佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

Story Seller〈2〉

『Story Seller〈2〉』(新潮社ストーリーセラー編集部・編)を読みました。

現在の日本作家界のドリーム・チームとも云うべき豪華執筆陣。「読み応えは長篇並、読みやすさは短篇並」とのキャッチコピーに偽りなし。全篇、ALL読み切りでスッキリ楽しめました。

 

 

 

裏表紙の紹介文を引きます。


 

お待たせしました!!大好評アソンロジー第2弾をお届けします。日本作家界のドリームチームが再び競演。今回もオール読み切りで、読み応え満点。どこから読み始めても、他では経験できない読書体験が味わえます。物語大好きのあなたも、これから読み始めるあなたも、お気に入りの作品が必ず見つかることでしょう。著作リストも完備して、新規開拓のガイドとしても最適です。


 

 

7人の作家による競作をお気に入り順にコメントをつけてみます。

 

第一位 『レミング』 近藤史恵

ロードレースものの最高傑作『サクリファイス』の前日譚。沈黙のエース石尾豪がひたすらカッコイイ。ぶっちぎりのトップです。物語の結末もぶっちぎりです。

 

第二位 『日曜日のヤドカリ』 本多孝好

血が繋がっていない親子の話。お互いをひとかどの人間と認め合いリスペクトしている父と娘が微笑ましい。キーワードは「信頼」かな。弥生さんは本当に素敵な子供です。

 

第三位 『マリーとメアリー ポーカーフェイス』 沢木耕太郎

深夜特急』ではじめて知って以来、私の中で最高のエッセイストとして不動の地位を占めている沢木氏。その沢木氏のお酒にまつわるエッセイともなれば悪かろうはずはない。

 

第四位 『合コンの話』 伊坂幸太郎

合コンにおけるおしぼりの重要性について、合コンの人数は3対3が適切な理由などなど、合コンについての理解が深まる。伊坂氏、合コンについてはなかなかの手練れとお見受けした。前作「首折り男の周辺」との繋がりが「Story Seller」第一弾を読んだ読者には嬉しい。

 

第五位 『444のイッペン』 佐藤友哉

前作333は東京タワーだったが、今回は444匹のペット犬の行方が判らなくなったという設定。主人公の独特なキャラクターが作品に特異な空気を与えている。セーラー服探偵の赤井が良い。

第六位 『リカーシブル―リブート』 米澤穂信

米沢氏特有のテイストが魅力か。ただし、このテイストは好き嫌いがあるだろう。私はどちらかというと、第六位に持ってきたと云うことは……です。

 

第七位  『ヒトモドキ』 有川浩

有川さんは私の大好きな作家の一人。しかし、前作「ストーリー・セラー」も今作もいただけない。人に対する非難攻撃がすぎて、読んでいて辛い。これを書いていらっしゃった頃の有川さんには何かあったのではないでしょうか。大好きな作家さんですが、敢えて、最下位。やむを得まい。