佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

スタンド・バイ・ミー (東京バンドワゴン)

東京バンドワゴンのシリーズは、一作目でも二作目でも三作目でもいいが、どれかひとつの作品を読めばもうそれで充分というシリーズではない。読者はその世界に入りこみ、下町の住人のひとりとなって登場人物達と日常を共に過ごし、その人情にひたり続ける必要がある。なぜなら、人情にひたることによってのみ、ひとは自らの中にもそれを持つことが出来るからだ。そして、そのためには常に東京バンドワゴンの世界にひたっていなくてはならない。

                                (本書「解説」より抜粋)

 

スタンド・バイ・ミー (東京バンドワゴン)』(小路幸也・著/集英社文庫)を読みました。

 

 

まずは裏表紙の紹介文を引きます。


 

東京、下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」。営む堀田家は今は珍しい三世代の大家族。今回もご近所さんともども、ナゾの事件に巻き込まれる。ある朝、高価本だけが並べ替えられていた。誰が何のために?首をかしげる堀田家の面々。さらに買い取った本の見返しに「ほったこんひとごろし」と何とも物騒なメッセージが発見され…。さて今回も「万事解決」となるか?ホームドラマ小説の決定版、第三弾!!


 

以下、主要な登場人物である我南人(ガナト)風にレビューを書いてみましょう。 

 

人が生きていくにはLOVEが必要なんだねぇ。溢れんばかりのLOVEがねぇ。人はひとりじゃぁないんだねぇ。支えられて生きているんだねぇ。LOVEをもとめてはいけないねぇ。LOVEを欲しがっちゃいけないねぇ。LOVEは与えるものだよぉ。出し惜しみせず、それこそ溢れんばかりのLOVEを与えるんだよぉ。そうすれば空っぽになるねぇ。でも大丈夫だねぇ。ありったけのLOVEを与えていれば、必ずLOVEは返ってくるんだねぇ。そばに寄り添ってくれるんだよぉ。それこそが東京バンドワゴン・シリーズのテーマなんだねぇ。愛こそすべて。

 

本書のタイトルは『スタンド・バイ・ミー』だが、読んでいて久しぶりにニール・ヤングの『溢れる愛』を聴きたくなりました。

     溢れんばかりの愛が必要だ

      この現状を変えるためには

     溢れんばかりの愛が必要だ

      そうでなきゃ、そんな遠いところへたどり着けはしない

 

 

Neil Young - Lotta Love

 

 

”Lotta Love” はニコレット・ラーソンのデビューアルバムにも収められていました。初めて彼女の歌声を聴いたのは私がまだ大学の一年生だった頃でしょうか。彼女の謳う”Lotta Love”も私は大好きです。

 

Nicolette Larson - Lotta Love