佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

昭和の女優

映画は「光と影」の芸術だが、スター女優達の名作には、「昭和」の光と影がはっきりと映し出されている。闇が暗かったからこそ、光もまぶしかった。彼女らの作品を見直すと、「昭和」がそういう時代だったのがよく分かる。

                        (本書P244「おわりに」より)

 

 

『昭和の女優 今も愛される美神たち』(伊良子序・著/PHP研究所)を読みました。

 

まずは出版社の紹介文を引用します。


 

原節子田中絹代京マチ子淡島千景岸惠子浅丘ルリ子岩下志麻吉永小百合倍賞千恵子。昭和の日本映画で活躍し、今も多くの人に愛され続けるスター女優たち。彼女たちの魅力と生き様、そして出演作品を紐解く。昭和には、日本映画の黄金時代と言われる時期があり、おびただしい数の映画が作られた。映画は最高の娯楽であり、社会や人生を学ぶテキストでもあったのである。そして、女優たちそれぞれに、その女優人生において大きな意味を持つ転機となった作品や名作がある。その中で、彼女たちは、何を伝えてきたのか。そして、どのように映画とかかわってきたのかを、長年、映画記者を務めてきた著者が綴る。また、日本映画黄金期をつぶさに見てきた女優・香川京子さんにインタビューを行ない、当時の映画界の様子や巨匠たちについて話を聞いた。


 

 

本書で取り上げられているのは、私が同時代的に映画で観た女優というよりは、もう一世代前の女優たちです。映画が娯楽の代表であり、だれもが銀幕の世界にあこがれを抱いた時代にあって、まさに国民的人気のあった大女優だけにそのエピソードには興味を惹かれた。たまらなく古い映画を観たくなります。幼少の頃の淡い記憶とともに、古き良き昭和の空気を懐かしく思い出しました。しばらくTSUTAYAに通い、『東京物語』や『約束』、『おとうと』などを借りてみるのもよいかもしれない。

個人的には若尾文子さんと太地喜和子さんも取り上げて欲しかったかな。

 

(2012/5/24 読了)