佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2588ページ
ナイス数:3328ナイス

 

 

6月は人気作をたくさん読んだため3000を超えるナイス☆をいただくことが出来た。最近の流れのまま古本屋ものを攻めている。『月魚』、『ビブリア古書堂の事件手帖3』はどちらも本好きの心をくすぐる良書でした。『ビブリア古書堂の事件手帖3』のなかで取り上げられた『たんぽぽ娘』(ロバート・F・ヤング著)はぜひ読みたい小説となった。その関連で時空を超えた恋をテーマにした『ライオンハート』を読んだのも良かった。こうして読んだ本に触発されて別の名作に巡り会う。こうした読み方は読書の醍醐味だ。米澤穂信氏の<古典部>シリーズもお気に入りのシリーズになった。続編を読み続けていこうと思う。そして森薫氏のコミック。19世紀のユーラシアにロマンを見いだし、すっかりはまってしまった。今後の読書の範囲に拡がりがでるきっかけになった6月であった。


顔をなくした男(下) (新潮文庫)顔をなくした男(下) (新潮文庫)
コレでシリーズ第14作目か。シリーズは全部読みます。読み切ります。と、意気込んでもシリーズ第15作目は未だ翻訳されていない模様。しかもこの『顔をなくした男』は三部作の真ん中で話が完結していないのだ。チャーリーが絶体絶命のピンチ? というところで次作につづくだと~~。許せん!! 早く読ませろ、早く出版せよ新潮社、早く翻訳せよ戸田さん。続けて読んでいても外国人の名前は覚えにくいのだ。登場人物を忘れてしまうじゃないの。おねげえしますだ~~新潮社様、戸田裕之様 m(_ _)m
読了日:06月08日 著者:ブライアン フリーマントル

 


月魚 (角川文庫)月魚 (角川文庫)
本の魔力に搦め捕られてしまった者の悲話として、そして本にまつわる素敵な物語として素晴らしいものがあります。しかし、私にとっては残念なことがあります。それは話の主人公たる二人にホモセクシャルのにおいをぷんぷんまとわせているところです。三浦さんにはそうすべき何らかの意図があるのでしょうが、性的にストレートな男にとっては違和感がありすぎて物語に没頭できないのです。女性から見て美しい?同性愛も、男から見ればおぞましいとさえ感じてしまうものです。主人公「真志喜」を「真奈美」と書き換えていただけませんか。お願いです。
読了日:06月08日 著者:三浦 しをん

 


シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)
『シアター(1)』を読んだのがちょうど二年前、(2)が上梓されてすぐ買ったのだが積読本となって久しかった。しかし読んでみてびっくり。面白さは(1)の二倍。登場人物がそれぞれの個性を持って活きている。そのうえ有川さんお得意の恋。有川さんの描く恋は結構古風なのです。想いは強いのですが、相手のことを考えてその想いをなかなかストレートに出せない。もうこのイジイジ感たまりません。デレデレ~。もう一つ、心得違いをしている輩に高潔な心意気で毅然たる態度を示すところ。半角スペース然り、テアトルワルツの支配人然り。快感!
読了日:06月12日 著者:有川 浩

 


氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)
TVアニメのキャラクター(千反田える)らしきカバーを気恥ずかしく思いながら本屋のレジに向かった。五十路のオジサンにとって、このカバーはきつい。こんな本をもってレジでお金を払っていたら、私はまるでセーラー服萌え~の変態親父ではないか。勘弁していただきたい。本を開いてみると何となく手の感触に違和感があった。このカバーの下に本来のものらしき普通のカバーがあったのだ。オジサン用にこのカバーの順番を入れ替えたものも本屋に置いていただきたい。是非とも全国の書店に善処いただきたい。小説自体は真夜中一気読み。good!
読了日:06月17日 著者:米澤 穂信

 


おとうと (新潮文庫)おとうと (新潮文庫)
高名な作家の父、リウマチを患う継母、十五歳の弟を家族に持つ十七歳のげん。家族それぞれが心に持つ鬱屈、微妙な心のあやを丹念に描ききっている。自伝的小説のようですが味わい深い文章です。それにしても、私はこの弟が苦手です。親に対するわだかまりや周りからの誤解を自分の中で始末できず投げやりになったり、心得違いの行動を繰り返す。おそらく周りの愛情を求めて満たされない心の表れなのでしょう。しかし私はそのような状況にあっても、誇り高く孤高を貫こうとあがく男であって欲しい。たとえ未だ十五の男であっても。厳しいようですが。
読了日:06月20日 著者:幸田 文

 


愚者のエンドロール (角川文庫)愚者のエンドロール (角川文庫)
人の死なないミステリ、いいですね。今回は神山高校二年F組が文化祭に出展する自主制作ミステリ映画の謎をめぐる話。アントニー・バークリーの『毒入りチョコレート事件』へのオマージュともいえる作品。米澤氏のミステリに対する思い入れがひしひしと伝わってきます。ミステリ好きにはたまらんでしょう。事情通はウイスキー・ボンボンが出てきた時点でニンマリしたはず。それにしても第一作『氷菓』のあとがきにあった謎がまだ解けていません。米澤さん、もったいつけてくれるなー。(笑)
読了日:06月25日 著者:米澤 穂信

 


ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
この小説には本を愛する人の気持ちが溢れています。今も昔も、本はそのような本を愛する読み手に支えられてきました。書き手の独りよがりでは本は存在し得ません。たとえば偶然、あるいは何らかの運命によって『たんぽぽ娘』という小説に出会い、その作品世界に惚れ込み、それを人に伝えたくなる。大切な人が結婚するときに、その本を送りたくなる。素敵な事じゃないですか。その時、本そのものに物語が生まれるのです。そして、その本が人生に味わいを与えてくれる。幸せを運んでくれる。本というのは、書き手の、そして読み手の想いなのです。
読了日:06月28日 著者:三上延

 


ライオンハート (新潮文庫)ライオンハート (新潮文庫)
時空を越えて出会い、すれ違うことを運命づけられた二人の物語。あとがきを読んで分かったのですが、この物語を書くきっかけになったのはKate Bush の曲"Oh England My Lionheart"だったとか。SMAPでなくて良かった。(笑) 恩田さんは1978年の東京音楽祭を中継したTV番組で"MOVING"を歌っている彼女をご覧になったそうです。私もその番組を視て衝撃を受けた一人です。当時、恩田さんは中学生、私は大学一年生。その時、私はこの本を読むことを運命づけられたのかもしれない。(笑)
読了日:06月30日 著者:恩田 陸

 


乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
読メでレビューを読んで、そのうち読みたいと思っていたら、古書店で1~3巻セット500円の値をつけていたので即決。期待どおり、いや期待を超えていた。第1話「乙嫁と聟花」の出だしの場面、20歳のアミルが嫁いできて初顔合わせで夫となるカルルクが未だ12歳だとわかった場面、アミルが一瞬きょとんとしたのち微かに頬を赤らめながら「あら!」と云ったところまでわずか4コマで私はアミルにすっかり魅了されてしまった。第5話「風邪」でカルルクが高熱を出したときのアミルのうろたえようったらない。素敵な物語の始まりに心が浮き立つ。
読了日:06月30日 著者:森 薫