佐々陽太朗の日記

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『有頂天家族 公式読本』(森見登美彦+「有頂天家族」親衛隊・著/幻冬舎)

「矢三郎よ、弁天を見なかったか」

「三日ほど前にお見かけしました。鞍馬行きの叡山電車の屋根に座っておいででしたが、推察するに猛烈にご機嫌斜めのようで、睨まれただけで息の根が止まりそうでした。」

「天晴れなる癇癪玉である。ぱつんぱつんであったか?」

「ぱつんぱつんであります」

       (本書収録書き下ろし短編『冬の女神と毛玉たち』より)

 

有頂天家族 公式読本』(森見登美彦+「有頂天家族」親衛隊・著/幻冬舎)を読みました。

 

まずは出版社の紹介文を引きます。


 

スタッフの熱い想いを乗せ、構想4年をかけて、堂々たるTVアニメ化! 原作もアニメも楽しめるガイド。本書のために書き下ろした、胸躍る傑作短編『冬の女神と毛玉たち』も収録!

森見登美彦氏の代表作『有頂天家族』が、2013年7月にTVアニメとなる。構想から4年をかけて、すばらしい完成度の大作になった。キャラクター原案に人気漫画家の久米田康治氏、アニメーション制作は実力派のP.A.WORKSという夢の座組みだ。

本書は、アニメを楽しみたい人も、原作をあらためて噛みしめたい人も、単純に森見登美彦ワールドを堪能したい人も満足できる、「森見度100%」の公式ガイド本。

いちばんの読みどころは、本書のために森見登美彦が書き下ろした番外編。『冬の女神と毛玉たち』は、胸躍る傑作短編!
森見作品史上、もっとも壮大な構想とされている『有頂天家族』は、この後、第二部、第三部と続く予定がある。その“第二部"の前に、毛玉や天狗たちに何が起こっていたのかは、ぜひこの短編で――。

その他、森見登美彦氏のロングインタビューのほか、声優・能登麻美子氏、漫画家久米田康治氏、監督吉原正行氏との対談も収録。

また、登美彦氏と、“有頂天"の舞台を巡りながら、厳選せされた「有頂天式・京都観光コース」も紹介。

主人公矢三郎の天敵である金閣銀閣の、間違った四字熟語講座も!


 

 

 

有頂天家族公式読本

有頂天家族公式読本

 

 

 

本日7月7日より『有頂天家族』のアニメ放映が始まるとなれば、「その前にとくと読んでおかねばなるまい」と事前の勉強に余念のない私である。小説『有頂天家族』を読んだのはもう2年も前のこと、復習も兼ねているのである。私は幼少の頃よりよく勉強をする子供であった。その美質は今も変わらない。「情報を制するものは世界を制す」とは今も昔も定説である。「定説」とは「疑いの無い証明済みの確定的であるとされる説」であるから、まさに疑いようもなく私はせっせと情報取得に刻苦勉励したのである。書き下ろし短編『冬の女神と毛玉たち』も読み終えた今、「いつでも来い!」と12時間も先の放映につんのめって蹈鞴を踏む状態である。とっとと放映したまえっ! それにしても癇癪玉でぱつんぱつんの弁天のなんと愛らしいことよ。