佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

8月の読書メーター

先月はほとんどバス通勤。おまけに出張も多かったので、車中で読書三昧。よーさん読んだなー。

 

2013年8月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:4894ページ
ナイス数:2144ナイス

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)感想
人が生きることの意味ってなんだろう? 恋することの意味、セックスの意味はなんだろう? 仮にその意味が判ったとして、おそらくそれは勘違いに過ぎないのだろう。しかし、それでも何らかの意味を求めたい。そうでなければ空しいではないか、寂しいではないか、悲しいではないか。そんな風に考える私にはニシノユキヒコが理解できない。ニシノユキヒコは同時に多くの女性とつきあう。実にスルリとセックスをする。それで別に悪いわけではないが、なんとなく寂しく空しい。誰でも愛せると言うことは、誰も愛せないと言うことと同義なのだろう。
読了日:8月31日 著者:川上弘美


じゃりン子チエ―チエちゃん奮戦記 (14) (アクション・コミックス)じゃりン子チエ―チエちゃん奮戦記 (14) (アクション・コミックス)感想
花井拳骨氏にも弱みがあった。苦手ではない、弱みである。それがまたテツと同じく自分の奥さんであった。ヤーさんも恐くない男の唯一の弱みが奥さんだというのはイイ。男たるものの基本的心構えである。子供の頃のテツをずいぶんかわいがっていたようだが、どんな人だったのか興味がある。この後の巻で、そのあたりのエピソードが読めるのであろうか。楽しみである。そして、マサル探偵が密かに内偵するテツの殺人犯疑惑はどうなるのか。次の巻を読もう。
読了日:8月26日 著者:はるき悦巳


どーしてこんなにうまいんだあ!どーしてこんなにうまいんだあ!感想
シーナマコトの簡単バカうま青空料理のレシピ&エッセイ。簡単で野外で作れて上品でない(つまり男クサイ)というところがポイント。読むとキャンプしたくなります。釣りたくなります。作りたくなります。飲みたくなります。「カキのボウモアドバドバかけ」なんかいいなぁ。地味だけど家で食って絶対うまいのは「シソバター丼」と「しょうゆマヨスパゲティ」だ。もう今年の夏も終わってしまう。海に行きたいなぁ。キャンプしたいなぁ。焚き火したいなぁ。
読了日:8月25日 著者:椎名誠

 


変見自在 オバマ大統領は黒人か変見自在 オバマ大統領は黒人か感想
自虐的史観に満ちた朝日新聞に怒り、自国の新聞やテレビによって真実が伝えられず歴史をねじ曲げられ謂われなき非難を浴びる現状を憂う。何も知らない私には髙山氏の主張の是非を判断出来ない。しかし私には髙山氏の主張のおおかたは正しいと見える。氏から名指しで「ウソつき」と糾弾された朝日新聞は自社が書いてきた記事を氏の主張する観点からもきちんと検証し、もし記事に間違いがあるとすればきちんとそれを認め世間に対し謝罪すべきだろう。少なくとも朝日新聞は他に対しては事あるごとに「過ちを認め謝罪すべき」といっているのではないか。
読了日:8月25日 著者:高山正之


新参者 (講談社文庫)新参者 (講談社文庫)感想
加賀恭一郎シリーズを第1の事件から順番に読んでいます。巻を追うごとに面白さが増している様がはっきりと見て取れます。謎解きの切れははじめから素晴らしいのですが、物語としての面白さ、深み、恭一郎の魅力がぐんぐん増して来ています。前作『赤い指』あたりから、人の情、人としての生き方も作品の重要な要素として織り込まれています。今巻『新参者』でもほろりとさせられる場面がいくつかあり、これはやはり恭一郎が人として成長し深みを増した証なのだと思われます。次巻『麒麟の翼』の早期文庫化を熱烈希望。講談社さん、よろしく。
読了日:8月24日 著者:東野圭吾


嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)感想
このところ加賀恭一郎シリーズを順番に読んでいる。この本は既に2007/8/4に読んだが内容に記憶がないため読み直してみた。七つの短編。加賀刑事の推理が冴え渡る。ミステリとしての楽しみはバッチリである。ただ、昨日、人の死なない日常ミステリ『珈琲店タレーランの事件簿』を読んだばかりなので、七つの殺意は少々苦かった。先日やっと文庫化された『新参者』も手元にある。また寝る時間が削られるが、ちょっとだけ読んでみよう。
読了日:8月22日 著者:東野圭吾

 


珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
日常のミステリにして京都もの、しかも物語全体に淡い恋心が漂っていれば、これはもう売れるわなー。珈琲店でおこるちょっとした出来事の裏にあるナゾを解き明かしていく日常のミステリとしての楽しみもさることながら、主人公たる男女お互いの心が一番のミステリとなっています。面白かったです。オススメです。
読了日:8月22日 著者:岡崎琢磨

 


偏差値70の野球部 レベル4 実戦応用編 (小学館文庫)偏差値70の野球部 レベル4 実戦応用編 (小学館文庫)感想
痛快でした。偏差値70の超進学校の野球部が甲子園常連の野球強豪校と野球の試合で互角に戦ってしまうのですから。世間が高校野球一色になるこの時期、「左打者には左投手が有利」だとか「無死1塁なら犠牲バントで走者を進めるべき」などというセオリーを、何の検証もなく盲目的に信じているバカを見るにつけスカッとした気分になります。しかし、野球バカ(バカといわれるほど努力しているという意味でほめ言葉です)からすれば噴飯ものであって、人によっては怒りすらおぼえるだろう。でも、野球オンチの私には痛快、痛快! (笑)
読了日:8月18日 著者:松尾清貴


偏差値70の野球部 レベル3 守備理論編 (小学館文庫)偏差値70の野球部 レベル3 守備理論編 (小学館文庫)感想
リトルリーグのチーム相手に試合する場面がいい。こんな仲間に出会えるなら野球もイイのかもしれない。かといって私が野球を好きになったわけではないが。3巻まで読んでみるとヒカルさんの理論は野球づけの強豪校を破る力があるのではないかと思ってしまうから不思議だ。彼女によると「感覚というのは、ある個体と環境情報との一時的接触」を意味し、「野球の試合とは、定められた一定のルールに従い、介在する環境情報を如何に効率よく処理するかというゲーム」らしい。ひえーっ!?
読了日:8月17日 著者:松尾清貴


偏差値70の野球部 レベル2 打撃理論編 (小学館文庫)偏差値70の野球部 レベル2 打撃理論編 (小学館文庫)感想
私は野球部が嫌いだった。今もってそうだ。執念深いのである。中学生の頃、私は陸上部だった。そして私の通っていた中学校の野球部のヤツらは放課後になると校庭のほとんどを占有し、あろうことかその状態にに何の疑問も罪悪感も持っていないようだった。そんな訳だ。さてこの小説である。主人公が通う海應高校は東大合格者数全国第1位。野球強豪校でいうセオリーの枠内で戦ったのでは絶対に勝てない。物理の理論を基に海應セオリーで戦おうとするところが痛快だ。そのことは野球部に対する屈折した私の心を隠微に癒してくれるのだ。フフフ・・・。
読了日:8月17日 著者:松尾清貴


偏差値70の野球部 レベル1 難関合格編 (小学館文庫)偏差値70の野球部 レベル1 難関合格編 (小学館文庫)感想
購入後1年以上、積読本となっていた。もともと小説雑誌『STORY BOX』の連載を愛読していた小説である。『STORY BOX』の姿勢に疑問を感じ購読を止めたので話の中途でとまっていたのだ。「いつ読むか? 今でしょ」って訳でもないのだが、世間は今、夏の甲子園大会に沸き立っている。そろそろ読むかと手に取った。全4巻のうちの第1巻を読了。どこの世界にも救いようのないバカは居るってことかな。真之介よ、バカどもの鼻を明かしてやれ。甲子園常連校「海鵬」と東大進学率第1位「海應」を間違るアンタも相当なバカだけどね。
読了日:8月16日 著者:松尾清貴


古書店・小松堂のゆるやかな日々 (宝島社文庫)古書店・小松堂のゆるやかな日々 (宝島社文庫)感想
男と女は別の生き物だと云う。男女の違いは人間とサルの違いより大きいとも云う。この小説を読んでいて、ふとそんなことが頭をよぎった。私には女というものが解らないし、その解らない生き物を少々怖いとも感じてしまう。話は変わるが、私は著者が働いていらっしゃった古書店に行ったことがある。著者とも直接話をし、著書にサインをしていただいた。その書店の店主とも顔見知りで、ときどき書店奥のカウンターでコロナビールを飲んだりする。主人公の女性の気持ちは解らないけれど、古書店のゆるやかな空気はよく解る。
読了日:8月15日 著者:中居真麻

 


じゃりン子チエ―チエちゃん奮戦記 (13) (アクション・コミックス)じゃりン子チエ―チエちゃん奮戦記 (13) (アクション・コミックス)感想
この巻はなんと言ってもヨシ江はんですな。百合根光三(お好み焼き屋のオヤジ)が離れて暮らす息子のことを相談できるのもヨシ江はんなら、某大学応援団長をして「美しい人だ」と言わしめ、一目惚れさせただけでなく、テツの奥さんだと知ると「許せんっ!」と逆上させるのもヨシ江はんなのである。ひょうたん池での老若男女猫入り乱れての大乱闘もヨシ江はんの「やめなさい!!」の一言でたちまち静寂が訪れる。その様はノルマンディー上陸作戦の真っ最中に世の中がいきなり停電になったようだったそうな。端厳粛正とは彼女のためにある言葉である。
読了日:8月13日 著者:はるき悦巳


晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)感想
人には好もしい面と忌むべき面がある。意地悪だったり、嫉妬深かったり、卑劣だったり、時に残虐ですらある。でも、好もしい面もあるのだ。この本は人の中には好もしい面が確かにあると感じさせてくれる。読む人を幸せにする本といえば良いのだろうか。私にとってそうした本はたとえば次のようなものだ。北村薫「円紫さんとわたし」シリーズ、坂木司『和菓子のアン』、山本幸久『ある日、アヒルバス』『幸福ロケット』、藤野恵美『ハルさん』、ロバート・F・ヤング『ピーナツバター作戦』etc.・・・私はこうした本が大好きだ。
読了日:8月11日 著者:緑川聖司


赤い指 (講談社文庫)赤い指 (講談社文庫)感想
泣いてしまいました。出張の帰り新幹線の中で不覚にも。所詮子供には親の気持ちが理解できない。親は自分を犠牲にしても子供を生かしたいと思うものだから。その親の想いを解ったとき、子はそれを受けとめて生きるしかない。子としていくら親を想おうとも決して親を超えることは出来ないと知ったとき、子は自らが親になれる覚悟が出来る。親とはそういうものだ。
読了日:8月10日 著者:東野圭吾

 


私が彼を殺した (講談社文庫)私が彼を殺した (講談社文庫)感想
あれっ? なにっ? 前作『どちらかが彼女を殺した』に続いてまたまた犯人を特定しないまま「完」。犯人が分からないバカな読者は「推理の手引き《袋綴じ解説》」を読みなさいということである。ところが筋金入りのおバカな私は「推理の手引き」を読んでもトリックも犯人も分からなかったのだ。なんたる屈辱。穴があったら入りたいほどの恥ずかしさである。ネタを解説してもらってなお???が頭の中をぷかぷか漂っている状態を鑑みるに、もはや私には推理小説、なかんずく東野圭吾を読む資格なしと断定せざるを得ない。悲しいことではあるけれど。
読了日:8月3日 著者:東野圭吾


ローカルバスの終点へ (洋泉社新書y)ローカルバスの終点へ (洋泉社新書y)感想
有名観光地でない行先、乗車時間は1時間以上という条件で鄙にある路線バスの終点を訪れる旅。なんともそそられる企画ではないか。運行が一日二回だけといった不便なところもあるが、その不便を楽しむというのもイイ。その地には寂れつつもありふれた日常がある。しかしそのありふれた日常はいまや我々にとっては非日常だ。鉄道の旅も良いが、その先にあるバスの旅はさらに良い。「のびゆく四方へ幾路線♪」という某バス会社の社歌を口ずさみながら、楽しく読んだ。特にそそられたのは岡山県の吹屋と青森県の九艘泊。いつか訪れることになるだろう。
読了日:8月3日 著者:宮脇俊三

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