『じゃりン子チエ 16』(はるき悦巳・著/アクション・コミックス)を読みました。67巻ある全集の第16巻である。
今巻では渉先生の妻・朝子さんがご懐妊。テツは、最近、朝子さんの顔を見ないのを「離婚か?」と早合点。早速、内偵をはじめる。テツは憎まれ口をたたきつつ、実は気遣っている。このあたり、素直になれないのがこの男のややこしいところだ。
素直になれないといえば、マサルである。チエのことが気になって仕方が無いくせに、憎まれ口ばかりたたく。もう少し成長して、自分が実はチエのことが好きなのだと気づくはずだが、そのときマサルは己の心にどう対処するのだろう。チエに対する歪んだ愛に気づいたとき、過去の所行を振り返って、恥ずかしさのあまり舌をかみ切って死にたくなるに違いない。私はこの屈折した子ども・マサルのことが大好きなのだ。私も相当屈折している。(あるいは病んでいる?)