佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

6月の読書メーター

2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3858ページ
ナイス数:2985ナイス

 

6月はロードレース関連のおもしろ本を沢山読めたのが幸せであった。日常のミステリにも素晴らしい本が沢山あった。

近藤史恵氏と川西蘭氏のロードレースものは今後も追いかけたい。大崎梢氏の成風堂書店シリーズもすべて読み続けるつもりだ。


民子民子感想
尾道に行きたくなった。理由は尾道に住む人ならわかってもらえるだろう。猫の写真がよいが、それにも増して浅田さんの自筆原稿が素晴らしい。浅田さんは自分を「猫」だと言い張るが、猫にあの字は書けまい。
読了日:6月22日 著者:浅田次郎

 

 


晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)感想
書店萌え~な私にはたまらない一冊ではある。長野にあるという「まるう堂」書店に行ってみたい。フィクションなのであるわけ無いか。それでもモデルになった店があるのなら教えて欲しいものだ。シリーズ第二作となる今作は長編となっているが、正直なところシリーズ第一作『配達あかずきん』のほうが好みである。軽く読めて心温まるエピソードを差し挟んだ短編にこのシリーズの良さがあるのではないか。今作『晩夏に捧ぐ』の謎は殺人事件ということもあり読後感が悪い。杏子と多絵の微笑ましい会話に救われるものの、やはり後味の悪さは否めない。
読了日:6月22日 著者:大崎梢

 


配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)感想
最近大好きになった大崎梢氏の「日常のミステリ」もの。しかも書店ものである。これはもう完全にツボにはまってしまった。物語の舞台となる成風堂、素敵な書店です。素敵な書店といえば鳥取に「定有堂」という店があります。私はその店でハインラインの『夏への扉』を買ったことがあるのですが、その時のディスプレイが「猫の棚」(猫にまつわる本をあれこれ置いてあった)であった。本作「六番目のメッセージ」に『夏への扉』が登場し、それも「猫」が物語のエッセンスになっていることに不思議な縁を感じ、なんだかうれしくなってしまった。
読了日:6月21日 著者:大崎梢

 


セカンドウィンド〈2〉 (ピュアフル文庫)セカンドウィンド〈2〉 (ピュアフル文庫)感想
Ⅱでは洋と岳は高校2年になって南雲学院高等学校の自転車競技部に所属している。Ⅰの最終場面「金剛ヶ峰自転車ロードレース」で二人とも好成績を残したのだ。二人ともチームの中心選手となり、競技者として順風に乗っているようだが、洋はスランプに陥る。洋が様々な人と出会い、経験を積む中で徐々にスランプから脱出できそうなところで幕を閉じる。友人の翠がフランスからスペインを旅する途中で洋に手紙を送ってきたという伏線が書いてある。ということはⅢではもしや舞台がヨーロッパに移るのかという期待を抱かせる。Ⅲを早く読みたい。
読了日:6月20日 著者:川西蘭

 


銀輪に花束を (小学館文庫)銀輪に花束を (小学館文庫)感想
ロードバイクシクロクロスランドナー、車種は違えど旅の道具として人に寄り添ってくれるかわいい相棒だ。自転車、そして自転車とともに暮らすスタイルをいとおしむ著者の想いが伝わってくる。いつかランドナーで東北地方を気ままに北上したい。東北の自然、風景を愉しみながら、そこに住む人を感じひたすら北を目指す。目的などない。そんな旅をしたい。お気に入りのランドナーは用意している。ヘタレではあってもセンチュリーマイルを一日で走るだけの体力もなんとか維持している。あとは時間を手に入れるだけだ。待ってろよ、東北。
読了日:6月17日 著者:斎藤純

 


セカンドウィンド〈1〉 (ピュアフル文庫)セカンドウィンド〈1〉 (ピュアフル文庫)感想
『シャカリキ!』を読んだ勢いで、本棚に積読本となっていた本書を手に取った。坂道をロードバイクで下るが如く一気読みであった。「どうして、こんなに辛い思いをしなければならないのだろう?」 これは過酷なヒルクライムに挑戦した人の共通した思いだろう。楽になりたければ足を地面に付ければよい。だれもそれを止めはしない。問題は自分にそれを許すかどうかだ。自分に負けない。それこそクライマーの矜持。フォルツァ! ところで「Ⅱ」を未だ買っていない。続きが気になる~~うぉぉぉ~~悶悶悶! クロネコさん、お願い、明日には届けて。
読了日:6月17日 著者:川西蘭

 


甘露梅―お針子おとせ吉原春秋 (光文社時代小説文庫)甘露梅―お針子おとせ吉原春秋 (光文社時代小説文庫)感想
苦界に身を置く者は仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌の八徳を失った者として亡八と呼ばれる。苦界に身を沈めてなお人は夢や希望を持つことがある。そのようなものを持つことが許されないことと知りつつ、それを止めることが出来ない哀しさ。そうすることがかえって自分を苦しめることになると知りながら。失った徳の中に「情」は無い。自由をほとんど奪われてはいても、わずかに「情」に人間らしさを残そうとする女の胸にあるのは「矜持」、いや、人として認められない身の上にあって、それは「意地」と言い換えたほうががよいのかもしれない。
読了日:6月15日 著者:宇江佐真理

 


シャカリキ! (小学館文庫)シャカリキ! (小学館文庫)感想
原作は曽田正人氏のコミックらしい。映画にもなったのですね。小説がコミックや映画になったときに小説を超えられないように、コミックが小説になったとき、その小説はコミックを超えられないのだろう。小説としてある種の物足りなさを感じてしまった。どちらが上で、どちらが下というものではなく、それにあった表現方法があるということなのだろう。とはいえ、充分に楽しませていただきました。相当熱くなりました。どのくらい熱くなったかというと、へたれチャリンコ乗りの私でさえ、ヒルクライムをやってみたいと思ったくらいです。(笑)
読了日:6月11日 著者:丹沢まなぶ,曽田正人

 


プリズム (幻冬舎文庫)プリズム (幻冬舎文庫)感想
次はどうなるのか気になり、ぐんぐん読み込んだ。一気読みである。しかし興味は持てるが感動がない。おそらく登場人物に自己を投影できないからだろう。同じことは『モンスター』でも感じたのだが、ハラハラさせられるTVドラマを視ている気分だった。小説は読者に感動を与えなければならないというルールはない。物語として充分読ませるし、興味を惹かれたのも事実だが、百田氏ならこれに感動をのせることが出来たのではないかと思うと少し残念。百田さん、私、無理を言ってますか?
読了日:6月10日 著者:百田尚樹

 


クジラの彼クジラの彼感想
自衛隊、制服、ツンデレ、有川さんの妄想全開である。読み終えて、私はもうメロメロである。こんなコメント、五四にもなるオッサンが吐いてはいけない。いや、それ以前に、かような読み物を手にとってはいかんのだ。昨日、部下の結婚披露宴に出席したせいで油断してしまったのか、本棚に並ぶ積読本のなかからついつい選んでしまったではないか。かようなベタ甘のラブコメは身体に毒だ。高脂血症が悪化したに違いない。しばらくは有川氏の恋愛ものはひかえなければ・・・本棚にある『ラブコメ今昔』は当分の間、封印する。
読了日:6月8日 著者:有川浩

 


ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)感想
性悪で人種差別主義者のフランクリン・ルーズベルトいけ好かないヤツだと言うことはこの際横に置いておく。真っ当に生きている者が理不尽にも窮地に陥り、邪なヤツの度重なる妨害工作にもめげず、最後には正義が勝つという池井戸さんお得意の水戸黄門的展開である。やはり読んでいて楽しいし、胸のすく読後感は鉄板の面白さ。どうも池井戸さんの小説を読むと、次も池井戸さんのものを読みたくなってしまうんだなぁ。さて、次は何を読もうか・・・
読了日:6月8日 著者:池井戸潤

 


サヴァイヴ (新潮文庫)サヴァイヴ (新潮文庫)感想
前二作『サクリファイス』『エデン』の外伝としての六つの短編。ロードレースはエースを勝たせるために他のチームメイト全員がアシストにまわるという駆け引きのゲームという点で、レースそのものがミステリですね。全員の思いを受けとめて責任を引き受けるエースもかっこいいが、自分の名前は残らなくともエースの勝利に貢献できるなら本望というメンタリティーが限りなくかっこいい。まるで『葉隠』記された「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」ではないか。ロードレースには「武士道」に通じる精神がある。
読了日:6月7日 著者:近藤史恵

 


サンタクロースのせいにしよう (集英社文庫)サンタクロースのせいにしよう (集英社文庫)感想
「日常のミステリ」分野の名著との評価を目にして読んでみた一冊である。登場人物が魅力的で会話が軽妙、しかも知的ときている。いいですよ、ホント、なかなかいい。主人公の柊子、そして柊子と一戸建てをシェアしている銀子、はたまた二人の共通の友人である夏見、この三人の愛すべきキャラクターがいつの間にか好きになっていた。ずっと彼女たち物語を読んでいたい気分だ。私にとってこういう小説を読んでいる時間こそが「日常」。人から見ればムダな時間かもしれない。しかし、何気ないムダを愉しむことこそ贅沢というものだ。悪くない。
読了日:6月3日 著者:若竹七海

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