佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

モップの精と二匹のアルマジロ

『モップの精と二匹のアルマジロ』(近藤史恵・著/実業之日本社文庫)を読みました。

 

まずは出版社の紹介文を引きます。


 

最先端ファッションでオフィスの清掃人をつとめ、日常の謎も解くキリコ。彼女は越野真琴という地味な女性から、夫の友也の行動を探ってほしいと頼まれた。美形である友也の退社後には、数時間の空白があった。ところが友也が事故に遭い、3年間の記憶を喪失してしまう。その後、彼の身辺には不審な出来事が。キリコと夫の大介は、夫婦の絆をめぐる謎に迫るが…。


 

 

 

清掃作業員探偵キリコ・シリーズ第4弾。ヤマアラシ・ジレンマは知っていたが、アルマジロとは。今作はキリコの視点ではなく大介の視点で描かれている。しかも長編、さすがはプロです、近藤さん。おそらくは人気シリーズの企画として出版社から持ち込まれた依頼で書かれたのでしょう。充分楽しませていただきました。衝撃的な事件があるわけでも涙を流すような感動があるわけでもありません。深刻なテーマを扱ってはいるものの、テイストはあくまで軽く、読後感はじわっと心があたたかくなっている。そんなミステリです。好きだなぁ、そんな感覚。