佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2014年10月の読書メーター

2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:18冊 
読んだページ数:4435ページ
ナイス数:2255ナイス

 

 先月前半は週刊誌で朝日新聞の極悪非道ぶりを再確認。わかってはいたことだが改めて読んで怒髪天を衝くほどの怒りに打ち震えた私である。

 『アイの物語』(山本弘)は久しぶりに記憶に残るSFであった。様々な示唆に富む素晴らしいSFである。今後、山本氏を追いかけることになろう。

 『買えない味』(平松洋子)は私の読んだエッセイでベスト5には入るものであった。すばらしい。

 『海賊と呼ばれた男』(百田尚樹)を読んで出光佐三という人を知ったこともおおきい。早速、出光氏の著書を二冊買い求めた次第。日本人として氏の思想を一端でも知ることが出来れば僥倖と思います。

 僥倖と言えばコミック『路地恋花』に出会ったこともうれしいことであった。単なる少女趣味の恋愛コミックではありませぬ。これはなかなかレベルが高いと思います。



路地恋花(4) <完> (アフタヌーンKC)路地恋花(4) 完結編; (アフタヌーンKC)感想
おそらく大人になる一歩手前で「やりたいこと」を持っていた人は多い。でも大人になる段階で「それで食えるか?」という割り切り(あるいは言い訳)でそれをあきらめ、いわゆる定職に就いた者がほとんどではないか。そんな迷いも吹っ切って(あるいは迷いながらも)自分が信じる良いものを作ろうと「ふきこ路地」に身を置く職人や芸術家。そうだからこそ彼らの恋は成就して欲しい。手作り本工房の小春ちゃんや万華鏡作家のキリンちゃんには何としても幸せになってもらわんといかんな。花屋一松は気の毒やったな。まぁ、あんさんは実家が金持ちやし。
読了日:10月30日 著者:麻生みこと

 


路地恋花(3) (アフタヌーンKC)路地恋花(3) (アフタヌーンKC)感想
なんやら、だんだんええかんじになっていきますなぁ。みんな、であいがあって、わかれがあって、すれちがいがあって、わらって、ないて、いちにちいちにちをいきてるんやなぁ。そんなあたりまえのことにおもいいたって、なんやらむねがいっぱいになって、こころがぬくうなって、なんやらええかんじですわ。ちなみにわたし、小春ちゃんに「ほ」の字ですわ。
読了日:10月30日 著者:麻生みこと

 

 

 


路地恋花(2) (アフタヌーンKC)路地恋花(2) (アフタヌーンKC)感想
「花屋一松」のオチ、笑いました。小話のところどころに出てくる小ツッコミ、素晴らしいセンスです。読むほどに作品世界に引き込まれます。登場する職人さんの心がピュアな分だけ、その恋をそのまま描けば深刻になりがちなのだろうが、適度にコミカルを織り交ぜているあたり麻生氏のセンスが光ります。三巻、四巻も楽しみ。実「あじき路地」を訪れるのも楽しみです。
読了日:10月29日 著者:麻生みこと

 

 


路地恋花 1 (アフタヌーンKC)路地恋花 1 (アフタヌーンKC)感想
とある路地(ろぉじ)に集った「つくる人」たちの恋の話。ごっつぅよろしおすなぁ。久しぶりに本棚から『陰翳礼讃』と『痴人の愛』を手に取りたくなった。近いうちにあじき路地も訪れてみようと思う。『その人に「風花の!」ってしるしをつけたいねん』か・・・せつないなぁ・・・。 読メの”じぇりい”さんに感謝。
読了日:10月28日 著者:麻生みこと

 

 

 


海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)感想
経営者として必要なことは理念と明確なビジョンを持つこと。その理念は広く国や世間の為になるものでなくてはならないこと。その意味で商売は「黄金の奴隷たるなかれ」を旨とすべしということか。素晴らしい生き様を読ませていただきました。仕事上、多少の障壁があっても何とかなる、頑張ろうという気になりました。そして日本人に生まれたことを誇りに思うことが出来ました。このようなかたちで出光佐三の生涯を小説にしてくださった百田尚樹氏に感謝。
読了日:10月26日 著者:百田尚樹

 


海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)感想
白人に隷属し、白人に資源を提供すべき国とみなされていた近代アジアにあって、気骨と誇り高い経営理念を持って世界に挑んだ経営者・出光佐三の物語を読み、眼に涙が溢れ、心には力が漲る思いであった。白人支配が強い世界の中にあって、決して強い者におもねることなく、卑屈にならず、日本人としての矜持を胸に敢然と世界に挑んだ経営者の生き様を私は深く胸に刻み込みました。私にとって『鼠』(城山三郎)、『お家さん』(玉岡かおる)に記された鈴木商店の大番頭・金子直吉と本書の出光佐三の二人は尊敬する経営者です。さて、下巻を読もう。
読了日:10月24日 著者:百田尚樹

 


和菓子のアンソロジー (光文社文庫)和菓子のアンソロジー (光文社文庫)感想
こうしたアンソロジー企画は作家諸氏の個性が際立って楽しい。与えられたテーマに沿って一定水準以上の物語を紡いでしまう能力はさすがはプロと感心しきり。なかでも北村薫「しりとり」は群をぬく。他には日明恩「トマどら」、近藤史恵「迷宮の松露」が私好みであった。言い出しっぺの坂木司「空の春告鳥」は『和菓子のアン』の後日譚として楽しい。近藤史恵リクエスト『ペットのアンソロジー』、大崎梢リクエスト『本屋さんのアンソロジー』も楽しめそうだ。いずれ購入することになろう。
読了日:10月22日 著者:坂木司

 


なぜ朝日新聞はかくも安倍晋三を憎むのかなぜ朝日新聞はかくも安倍晋三を憎むのか感想
「中国人は井戸を掘った人を忘れない」は真っ赤なウソである。「アメリカは民主的で、正義と自由を重んじる素晴らしい国である」もウソである。たしかにそのような側面もある。しかしどちらの国も自国の利益のためには他国を踏み台にしても平気である。このことは世界情勢を視る上で肝に銘じておかなければならない。田母神氏のような人は知性派を気取った学究の徒から批判され貶められることが多い。しかし我々は知性派を気取った学究の徒にこそウソやバイアスが潜むことを知っておかねばならないだろう。朝日新聞の報道を見ればそれは明白である。
読了日:10月21日 著者:田母神俊雄

 


買えない味 (ちくま文庫)買えない味 (ちくま文庫)感想
平松洋子さんはカッコイイ。そう、本当にクールだ。平松さんにとって、おそらく日常は決して退屈なものではない。凡人には何気ない日常も、平松さんには彼女にしか見えない側面がある。それは稀有な感覚。静かで地味な日常も、稀有な感覚を持って生きる者にとってはしみじみ感じ入る要素に満ちているものだ。私にとって谷崎潤一郎氏の『陰翳礼賛』に比肩し得る随筆です。出雲・出西窯の砂糖壺と白掛地釉を私も使いたい。
読了日:10月15日 著者:平松洋子

 

 


じゃりン子チエ―チエちゃん奮戦記 (17) (アクション・コミックス)じゃりン子チエ―チエちゃん奮戦記 (17) (アクション・コミックス)感想
今巻の主人公はなんといってもアントニオ・ジュニアだろう。ノイローゼになりかけのジュニアといったらたまりませんねー。こっぱずかしいキザ言葉といい、虚無的哲学がなんとも青臭くカワイイのだ。酸いも甘いも噛み分けた小鉄とのコンビネーションが絶妙!
読了日:10月13日 著者:はるき悦巳

 

 

 

 


愛書家の死 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 2-10)愛書家の死 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 2-10)感想
クリフ・ジェーンウェイ・シリーズ第五作。古書界と競馬界を舞台にした愛書家にまつわる話。古書にまつわる物語が好きで、同時にディック・フランシスを愛読する私にとってこれほどうれしい物語はない。それにしても重要な登場人物であるシャロンはなんと素敵な女性なのだろう。本書を読み終えた今、彼女のその後はどうなっているのか、幸せに暮らしているのかどうか、そんなことばかり気になってしまう。世の中には一目で好きになってしまう女性、なんとしても幸せになって欲しい女性ってのがいるのだなぁ。あぁ、シャロン・・・
読了日:10月13日 著者:ジョン・ダニング

 

 


京の路地裏案内 (らくたび文庫)京の路地裏案内 (らくたび文庫)感想
あじき路地」芸術村、宮川筋通団栗下ル東側「裏具」の手紙周り文具、大和大路通四条上ル西側「かね正」の鰻、新橋通花見小路西入ル北側辰巳小路内「小鍋屋いさきち」、柳馬場通小池下ル東側「火裏蓮花」のスイーツ、高倉通四条下ル西側「お数屋 いしかわ」のおばんざい、新町-室町路地「円屋」の串焼きと蕎麦、上長者町通千本東入ル1筋目下ル西側「はちはち」のスープ付日替りサンドイッチ、黒門通誓願時上ル西側「美齢」の石焼麻婆豆腐、今出川通鞠小路西入ル2筋目下ル東入ル南側「カンティーナ・ロッシ」のパスタ。訪れたいところ満載。
読了日:10月12日 著者:

 


西日本サイクリングガイド (アウトドア21stフィールド)西日本サイクリングガイド (アウトドア21stフィールド)感想
南港ベイエリア、播磨自転車道(*)、出石、但馬海岸・城崎、淡路島一周(*)、嵐山八幡木津自転車道、琵琶湖一周(*)、太平洋岸自転車道浜名湖レイクサイドウェイ、渥美サイクリングロード、赤目・香落渓、若狭自転車道、しんきろう自転車道しまなみ海道(*)、四万十川海の中道海浜公園、メイプル耶馬サイクルライン(*)、野母半島自転車道と素晴らしいコースぞろい。(*)は走行済。能登海浜自転車道(千里浜なぎさドライブウェイ)は是非走りたい。自転車で砂浜を走れるのはここを含め世界で3カ所しかない。夢のようではないか。
読了日:10月10日 著者:

 


[新制度対応!] 子どもの笑顔と安定経営が両立する 保育園の作り方[新制度対応!] 子どもの笑顔と安定経営が両立する 保育園の作り方感想
いまさらですが・・・、やはり基本から。
読了日:10月5日 著者:髙橋晃雄

 

 

 

 

 

 


アイの物語 (角川文庫)アイの物語 (角川文庫)感想
初・山本弘である。攻殻機動隊草薙素子を彷彿とさせるプロローグに期待度MAX状態で読みました。結果は大当たりでした。「事実」とフィクションとしての「物語」、「現実」と「仮想空間」、「人間」と「アンドロイド」、より価値があるのは前者なのか? 現実とは、人間とはそれほど素晴らしいものなのか? 物語の価値とは何か、たとえフィクションであっても現実よりも正しい世界がそこにあるのではないか。物語にこそ本質がある。物語にこそ現実を打ち負かす真実がある。そういうことか・・・
読了日:10月5日 著者:山本弘

 


週刊文春 2014年 8/28号 [雑誌]週刊文春 2014年 8/28号 [雑誌]感想
朝日新聞追求キャンペーンを追ってバックナンバーを購入し、ついに第1弾まで遡って読みました。「朝日新聞よ、恥を知れ!」の見出しどおりの気持ちである。恥ずかしいといえば、この号に掲載された橋本聖子氏のソチ五輪スキャンダルである。高橋大輔氏にキッスを浴びせ続けた事件ですね。これが参議院議員の良識ですか・・・みっともない。
読了日:10月4日 著者:

 

 

 


週刊文春 2014年 9/25号 [雑誌]週刊文春 2014年 9/25号 [雑誌]感想
朝日新聞追及記事第5弾。さすがは文春、朝日追及の手は執拗かつ苛烈である。記事にあるように子会社・朝日出版がデアゴ社の機密情報を不正な手段で盗み出しており、それを朝日新聞コンプライアンス委員会が内部告発により知っていながら隠蔽しているとすれば、これはもう・・・。これ以上は池上彰氏が連載コラムで「罪なき者、石を投げよ」と仰るとおりだと思いますので書きません。
読了日:10月1日 著者:

 

 


週刊文春 2014年 9/11号 [雑誌]週刊文春 2014年 9/11号 [雑誌]感想
朝日新聞追求記事第3弾。読めば読むほど朝日新聞の無見識ぶりに腹が立ち眠れません。8月28日に木村伊量朝日新聞社長が全社員宛に送ったとされるメールを読むにつけ、従軍慰安婦問題の誤報によって我が国が不当に貶められたことについて微塵も反省していないことは明らかである。偏った考えというより、国に対する悪意すら感じてしまうのは私だけだろうか。「文春VS.朝日」の歴史、改めて過去を振り返り確認した。絶え間ない醜聞に呆れかえるばかり。連載コラム「今週のバカ」に書いてある高校野球についての見方にも肯けるところが多い。
読了日:10月1日 著者: