佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

夜鳴きめし屋

『夜鳴きめし屋』(宇江佐真理:著/光文社時代小説文庫)を読みました。
 
まずは出版社の紹介文を引きます。

本所五間堀の「鳳来堂」は、父親が営んでいた古道具屋を、息子の長五郎が居酒見世として再開した“夜鳴きめし屋”。朝方までやっているから、料理茶屋や酒屋の二代目や武士、芸者など様々な人々が集まってくる。その中に、かつて長五郎と恋仲だった芸者のみさ吉もいた。彼女の息子はどうやら長五郎との間にできた子らしいが…。人と料理の温もりが胸に沁む傑作。

 
 
『ひょうたん』の後日譚。年の瀬に聴く落語に『芝浜』がふさわしいとすれば、『ひょうたん』と『夜鳴きめし屋』は年の瀬に読むならこの本といった風情がある。手際よく作った小料理にほどよい燗酒。店には気が置けない常連たち。まことによろしい。料理を作る場面の記述はほどんどレシピとして使えるほど。「鰯のかまぼこ」と「鰯の三杯酢」は作ってみたい。というか、それをアテにぬる燗の酒などやってみたい。あぁ、たまらん・・・