『シャクシャインの秘宝 - 秘闘秘録 新三郎&魁』(中谷航太郎・著/新潮文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
舞台は最北の地、対するはロシア軍艦。書下ろしアクション時代活劇、ついに完結!
沈みゆく御用船に囚われた新三郎と魁たち。ロシアとの密貿易を企む豪商・安芸屋はロマノフ王室への貢物にするため、新三郎たちから一族の秘宝を奪い、恋しい沙伎も連れ去られる。追い詰められた彼らは必死で反撃するが、安芸屋はロシアの戦艦を呼び寄せ、殲滅にかかる。絶体絶命の窮地に現れた不思議な出会いと隠された力。熱いアクションで時代小説に挑んだ人気シリーズ完結篇!
大いなるものの意志を知った時、人は欲を捨て、遺恨を乗り越えて理解し合えるということか。おそらくそれは人本来の姿に立ち返ったということなのだろう。私心を去り、大いなる意思のために命をも惜しまず闘う。そして、善を好み他者を受け入れることができる者こそが大いなる意思を現実のものとすることができる。このシリーズに著者・中谷氏が込めた思いはそうした考えではないか。「私心を去り」「善を好む」これができる者がいれば国は安泰である。曲解かもしれないが、中谷氏は吉田松陰を信奉していらっしゃるのではないかと思う。吉田松陰が好きな私の穿った見方だろうが・・・