佐々陽太朗の日記

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『赤猫異聞』(浅田次郎・著/新潮文庫)

『赤猫異聞』(浅田次郎・著/新潮文庫)を読みました。

浅田次郎の時代物にハズレ無し。滅法面白く胸が熱くなります。

まずは出版社の紹介文を引きます。

 共に戻れば無罪、一人でも逃げれば戻った者が死罪に――激動の時代を描く傑作時代長編。

時は、明治元年暮。火の手の迫る伝馬町牢屋敷から解き放ちとなった訳ありの重罪人たち──博奕打ちの信州無宿繁松、旗本の倅岩瀬七之丞、夜鷹の元締め白魚のお仙。牢屋同心の「三人のうち一人でも戻らなければ戻った者も死罪、三人とも戻れば全員が無罪」との言葉を胸に、自由の身となった三人の向う先には……。幕末から明治へ、激動の時代をいかに生きるかを描いた、傑作時代長編。

 

 

赤猫異聞 (新潮文庫)

赤猫異聞 (新潮文庫)

 

 

またしても浅田次郎氏の得意技が炸裂。心根に気高さを持ちながら貧賤な者と貶まれる人間の一分を立てることにおいて、浅田氏ほどの手練れは滅多にいない。主人公たちに見得を切らせる場面はまさに鳥肌もの。良き小説にござった。