佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『任侠学園』(今野敏・著/中公文庫)

『任侠学園』(今野敏・著/中公文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、ちっぽけながら独立独歩、任侠と人情を重んじる正統派のヤクザだ。そんな組を率いる阿岐本雄蔵は、度胸も人望も申し分のない頼れる組長だが、文化的事業に目のないところが困りもの。今回引き受けてきたのは、潰れかかった私立高校の運営だった。百戦錬磨のヤクザも嘆くほど荒廃した学園を、日村たちは建て直すことができるのか。大人気の「任侠」シリーズ第二弾! 

 

任侠学園 (中公文庫)

任侠学園 (中公文庫)

 

 

とにかく楽しめる小説です。ただ楽しめるだけでなく、日本人が失ってしまった大切なものを思い出させてくれるシリーズです。日本人が失ってしまった大切なものとは「恥の文化」です。人間として恥ずかしくない行い、そういう生き方ができないならば死んだ方がましだという感覚です。ヤクザの行動様式から学ぶなどといえば何をバカなと非難される時代です。しかし真っ当な市民を名乗る者の中にもとんでもない卑劣漢がいることも事実。ヤクザの方がよほどましだろうという輩です。自分が気に入らないことに文句をいっていれば済むと思っている輩、権利ばかり主張して自らは何も背負わない輩、恥を知りなさい。