佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『シリウスの道』(藤原伊織・著/講談社文庫)

シリウスの道 上・下』(藤原伊織・著/講談社文庫)を読みました。

10年ほど前に一度読んだことがあります。再読です。

出版社の紹介文を引きます。

 

【上巻】大手広告代理店・東邦広告に勤める辰村祐介には、明子、勝哉という2人の幼馴染がいた。この3人の間には、決して人には言えない、ある秘密があった。その過去が25年の月日を経た今、何者かによって察知された…。緊迫した18億円の広告コンペの内幕を主軸に展開するビジネス・ハードボイルドの決定版ここに登場。

【下巻】新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!広告業界の熾烈な競争と、男たちの矜持を描くビジネス・ハードボイルドの結末は。

 

シリウスの道(上) (文春文庫)

シリウスの道(上) (文春文庫)

 
シリウスの道(下) (文春文庫)

シリウスの道(下) (文春文庫)

 

 

 

あぁ・・いい。たまりません。仕事小説にしてハードボイルド。ハードボイルドにして恋愛小説。恋愛小説にして青春小説。広告代理店での巨額プロジェクト受注合戦に立ち向かうチームの奮闘物語り、企業内の軋轢と友情、はたまた上司部下の信頼関係。企業小説として一級品です。そして上司・立花部長と主人公・辰村祐介との男女の機微、これには上司部下の関係もあって味わい深い。さらに祐介、明子、勝哉の幼なじみの人生模様。それらが渾然一体となってひとつの物語が紡ぎ出されている。