佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『ジヴェルニーの食卓』(原田マハ・著/集英社文庫)

4月の読書に選んだのは『ジヴェルニーの食卓』(原田マハ・著/集英社文庫)です。

先日(4月3日)に京都市美術館で開かれた「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」を訪れるにあたり、頭の中を美術鑑賞モード、印象派モードにしようと読んだ本です。文庫本の帯に割引引換券も付いていました。美術館に提出して入館料を100円割り引いてもらいました。(笑)

まずは出版社の紹介文を引きます。

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティスピカソ、ドガ、セザンヌ印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。

 

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

 

 「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」にはモネ晩年の作品が多く、白内障を患い視力を失いかけたモネの描いたまるで抽象画のような画をたくさん見ることができた。「睡蓮」「日本の橋」「バラの小道」などジヴェルニーにあった家の庭を描いた多くの作品がそれである。本書を読むことで展覧会が味わい深いものとなり、逆に展覧会で実際に画を観ることで濃密な読書を楽しむことができた。同日に訪れたお隣の京都国立近代美術館の企画展「オーダーメイド:それぞれの展覧会」ではアンリ・マティスの「鏡の前の青いドレス」を観ることもできた。僥倖と言わねばなるまい。幸せな一日になった。