佐々陽太朗の日記

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『茶会の乱 御広敷用人 大奥記録(六)』(上田秀人・著/光文社時代小説文庫)

『茶会の乱 御広敷用人 大奥記録(六)』(上田秀人・著/光文社時代小説文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

将軍吉宗の寵姫・竹姫の代参の警固を無事に果たした御広敷用人の水城聡四郎。しかし、竹姫に対して、大奥でもっとも陰湿な罠がまたも仕掛けられた。聡四郎はその罠を防ぐことができるのか。一方、聡四郎を襲った御広敷伊賀者の元組頭・藤川義右衛門は、新たな展開を仕掛けるべく「大物」を巻き込むことに―。手に汗握る展開と剣戟が魅力のシリーズ、切望の第六弾。 

 

 

茶会の乱: 御広敷用人 大奥記録(六) (光文社時代小説文庫)

茶会の乱: 御広敷用人 大奥記録(六) (光文社時代小説文庫)

 

 

たかが野点であっても大奥での面子がかかるとなるとこれほどまでに凄まじい争いになるか。さすがに第六巻まで読むと慣れてきて、嫌らしく陰湿な大奥の女たちの所業も読み物として楽しめるまでになった。それにしても一三歳の竹姫の凜とした覚悟が素晴らしい。さて、物語の焦点は吉宗の目論みどおりに竹姫を御台所に迎えることができるかどうかに移ったが、その前にくノ一・袖がどうなるかが目下最大の気がかりである。私も男だ、美人にはめっぽう弱い。