佐々陽太朗の日記

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YouTubeで落語 Vol.019 『浮世根問』

『新版 落語手帖』(矢野誠一・著/講談社)に紹介された274席のうちの19席目は『浮世根問』。やはり立川談志師匠で聴きます。

 

新版・落語手帖

新版・落語手帖

 

 

 

 談志師匠は落語家に憧れた子どもの頃、押し入れを高座に見立てて、この噺と『道灌』『十徳』などを好んでやっていたそうだ。流石です。そんじょそこらの人間とはものが違います。

 本書に談志師匠が初めて高座にあがったときのエピソードが紹介されている。引用しておく。

はじめての高座は昭和27年の4月新宿末広亭の昼席。お客さんが、たしか十人ぐらいだったと思う。噺は『浮世根問』。ピョコンと坐って、「エエーッ」といったら、あとがでなくなってしまった。お客は奇妙な顔をしてわたしを見上げている。仕方なく、「落語をやります・・・」といったが妙な話だ。ふしぎにあとはスラスラでて、どうにか無事に終わったが・・・。まったく冷汗三斗もいいところ。それでも高座を下りてきたら、楽屋の人たちがほめてくれた。もちろん、今思えば、お世辞だったろうけれど、嬉しかった。「お兄さん、なかなかいいよ。うまくなるよ」この言葉が忘れられない。(立川談志

 知ったかぶりをからかう噺は他にもいくつかあったと思う。『やかん』などもそのひとつだ。

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