佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2017年2月の読書メーター

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1488ページ
ナイス数:574ナイス

 

 先月はたった4冊のみ読了。しかし内容は濃かった。いずれも名作ぞろい。

 読書量が少なかったのは休日にあちこち出かけていたから。特にこの季節は酒蔵見学に精を出す。本田商店(兵庫県姫路市)、木下酒造(京都府丹後)、此の友酒造(兵庫県朝来市)、多治米合名会社(兵庫県朝来市)、壷坂酒造(兵庫県姫路市)と忙しい忙しい。

汚れた赤を恋と呼ぶんだ (新潮文庫nex)汚れた赤を恋と呼ぶんだ (新潮文庫nex)感想
相変わらず上手いです。ちょっとした言い回しに惹かれます。たとえば「もしかしたらオレは、正直者でいたくて嘘をついていたのかもしれない」なんてことを、しれっと書くのですよ河野さんは。第三作の舞台は階段島ではなく現実世界。七草は真辺を、真辺は七草をとても大切に思っている。何よりも大切に思っているからこそ、お互いがお互いを捨ててしまう。そしてどちらもそのことに傷ついているように思える。ひとり傷つくことが相手にとって一番辛いことだというのに。二人ともよく似ている。近づけばお互いが傷ついてしまうヤマアラシジレンマ。
読了日:2月19日 著者:河野裕


月の上の観覧車 (新潮文庫)月の上の観覧車 (新潮文庫)感想
人は皆、幸せを希求する。幸せに恋い焦がれ、その程は「渇求」するといってもいいほどだ。でも思い描く幸せのかたちは人それぞれで、しばしばその想いはすれ違う。そして神様はいつも人間に意地悪で、思った通りの自分、描いたとおりの人生にはしてくれない。手に入れたと思った幸せはするりとその手からこぼれ落ちてしまう。荻原氏はそうした悲しみに寄り添うように8編の短編を著した。男は弱い。女も弱いが男はどうしようもなく弱い。せめてもの一筋の光が欲しい。小説にはそれが出来る。本当に魔法はあるのだと教えてくれる。
読了日:2月15日 著者:荻原浩


人形つかい (ハヤカワ文庫SF)人形つかい (ハヤカワ文庫SF)感想
地球侵略ものSFの名作。異生物に世界を蹂躙されると考えるだけで気分が悪いのに、その異生物たるやナメクジのような形状をしており、それがまるで蛭が人間にとりつくが如く背中に張り付いて、人間の脳をあやつり乗っ取ってしまう。そしてどんどん増殖していくという不気味さがこの小説の味わいどころだ。さらに取り憑かれ乗っ取られた人間であっても、服を着てしまえば通常の人間と見分けがつかないという猜疑心と恐怖たるや半端ではない。
読了日:2月11日 著者:ロバート・A.ハインライン


黒後家蜘蛛の会 2 (創元推理文庫 167-2)黒後家蜘蛛の会 2 (創元推理文庫 167-2)
『1』より内容がさらにおもしろく充実してきたと感じるのは私だけだろうか。アシモフの知性に触れる悦び。ちょっとした空き時間に、こうした短編をポケットから取り出し、すこしずつ読む幸福感。世の中に文庫本があって良かった。「十三日の金曜日」「終局的犯罪」が好みであった。

 

読了日:2月7日 著者:アイザック・アシモフ

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