佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『星がひとつほしいとの祈り Pray for star』(原田マハ・著/実業之日本社文庫)

『星がひとつほしいとの祈り Pray for star』(原田マハ・著/実業之日本社文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

時代がどんなに困難でもあなたという星は輝き続ける。売れっ子コピーライターの文香は、出張後に立ち寄った道後温泉の宿でマッサージ師の老女と出会う。盲目のその人は上品な言葉遣いで、戦時中の令嬢だった自らの悲恋、献身的な女中との交流を語り始め――「星がひとつほしいとの祈り」。このほか、20代から50代まで各世代女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々。「楽園のカンヴァス」で注目の名手が静かな筆致で描く、極上の短編集。 

 

 

 不倫、中絶、シングルマザー、そして戦争、重苦しい題材を扱いながら最後には心がほっこり温かくなる7篇。うまく料理したなぁ。流石です。「沈下橋」がイイ!

 

椿姫
不倫相手の子供を宿した20代前半の新人デザイナーが、
中絶のつもりで訪れた産院で、10代のギャル妊婦に出会い……。

夜明けまで
著名女優を母に持つ30歳のひかるは、母の生き方を否定していたが、
母の死後、その遺言に従って九州の「夜明」駅を訪れた。

星がひとつほしいとの祈り
35歳の売れっ子コピーライターが、ホテルで呼んだマッサージの老女から聞かされた、戦中上流階級の悲話。盲目のその人は、令嬢であった自らの悲恋、彼女に献身的に仕えた女中、そしてひとしく日本人を襲ったあの戦争について語り……。

寄り道
アラフォー独身、いつも旅する女友達二人が白神山地を訪れたが、
アーバスに同乗した派手な若い女が気になり……。

斉唱
未婚の母である40代女性。
心を開かない中学生の娘と、自由学習のため佐渡のトキを見学に行くことになったが……。

長良川
50代で夫をがんで亡くした堯子はその1年後、娘とその婚約者と共に長良川の鵜飼いへ。
そこはかつて夫と旅した地でもあった。

沈下橋
高知の食堂で働く59歳の多恵は、歌手・阿藤由愛訴追の報に接する。
多恵はかつて、由愛の継母だったことがあるのだ。