佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『ブランド力』(株式会社イマジナ代表取締役社著・関野吉記・著/日経BPコンサルティング書籍編集部)

『ブランド力』(株式会社イマジナ代表取締役社著・関野吉記・著/日経BPコンサルティング書籍編集部)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

大量生産・大量消費の時代は終焉を迎え、モノ・情報は溢れ、消費者の嗜好が多様化している昨今、今、企業には何が求められているのか。これまで通り、他社と同じような商品やサービスを提供しているだけでは、消費者に選ばれ続けることは難しい。商品やサービスにブランドという付加価値を付けられる企業だけが、ライバルと差別化でき、顧客から選ばれるのだ。本書は企業や地域のブランド事業を手掛けてきた株式会社イマジナ代表取締役社長・関野吉記によるブランド論。

 

ブランド力 ~今、企業や自治体に求められている大切な価値

ブランド力 ~今、企業や自治体に求められている大切な価値

 

 

 ブランド力の必要性、ブランディングの要諦をわかりやすく解説いただいた。以下に自分のためのノートとしてエッセンスと思える部分を書き留める。
 
 今の時代、商品やサービスが一定の基準に達しているのは当然のこと。ITその他の技術の発達によって、企業の商品化やサービス化のスピードはどんどん速くなっている。それはオリジナルなアイデアで先行してもすぐに競争相手に追いつかれることを意味する。もはや商品やサービスそれ自体では差別化しにくい時代になった。
 商品やサービスにブランドという付加価値を提供できる企業だけがライバルと差別化できお客様から選ばれる。ブランドとは何か? それはデザインや使い心地、味といった商品そのものに関する要素だけでなく、店の雰囲気、商品に付けられたロゴマーク、紙袋、店員の接客態度や商品知識の的確さ、商品をひいきにしている有名人、作った会社の信頼感や安心感、商品にまつわるストーリーすべてをひっくるめた満足感のこと。
マーケティングとは「自分から自分のイメージを相手に伝える努力」のこと。ブランディングとは「相手に自分のイメージを持ってもらう努力」のこと。二つは混同されがちだが違う。良いイメージを持ってもらうための活動がブランディング
 企業フィロソフィーとは自分たちの存在意義を語るもの。経営者も社員も自分たちが何を社会に提供しているのかを語れなければならない。現状を良しとしチャレンジしない企業は衰退する。ブランディングとは将来のために種を蒔くこと。その時代、その社会に即した「ビジョン」「ミッション」「バリュー」を構築する必要がある。伝統のうえにあぐらをかいて外部との対話を怠ってはならない。去年の「いいね」が今年は「残念だね」になりかねない。
 その企業にしか出来ないこだわり、その企業が何を大切にするか、それらがその企業の文化。その文化に顧客が共感を覚えたときブランドが構築される。企業文化をわかりやすく明確化し社員に浸透させることがインナーブランディング。企業の想いを共有した社員の行動がお客様の「経験」をつくり、それがお客様の心の中に「ブランド」を生み出す。企業のエッセンスは社員の行動に表れるのだ。
 では経営者の仕事は何か。会社をどのような姿にしたいか(ゴール)とそのために何をやるかという全体像を示すこと。企業理念やデザインはそれを社員全員が理解できるように翻訳したもの。
「私たちでないと出来ない仕事が提供できているかどうか」を問い続けることがブランドにつながる。