『バカの壁』(養老孟司・著/新潮新書)を読みました。まずは出版社の紹介文を引きます。
見えない「壁」がわかると世の中が見えてくる。気が楽になる。
「話せばわかる」なんて大ウソ! イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人。互いに話が通じないのは、そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。その「バカの壁」とは何か……? いつの間にか私たちを囲む様々な「壁」。それを知ることで世の中が見えてくる!
自分の周りが一種の思考停止状態にあることにいらだつことが良くある。どうして物事をそんなにステロタイプにとらえるのか。どうして宗教をそんなにたやすく盲信するのか。一つのイデオロギーに寄っかかっていて不安にならないのか。原理主義などと、まともな人間から見ればバカげた理屈を、どうして金科玉条とできるのか。どうして教育者や政治家、新聞のいうことの中に潜むウソに気付かないのか。歯がゆい思いにじれてイライラし通しなのは私だけではないだろう。
本書はどんどん一元論化しつつあり、それゆえ思考停止に陥ってしまいそうな現代に警告を発している。特に教育や宗教に対する養老さんのスルドイ指弾に拍手喝采!