佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

京都非公開文化財特別公開ほかをめぐるポタリング(1日目)

2017/11/03 京都ポタリング1日目

 この時季の京都は非公開文化財特別公開がある。公開される24カ所すべてはとても廻れないが、気になるところをいくつか廻っておきたい。旅行企画の勉強にもなる。

 車のルーフに自転車を積み大渋滞の高速道路を抜け京都入り。当時の近くに安いコインパーキングを見つけ、そこからは自転車で市内をポタリングした。

 まず京都の始まりは平安京の入り口で都を護る東寺でしょう。京都で最も古いお寺で、講堂と五重塔が特別公開された。どちらも弘法大師空海真言密教の世界、とりわけ講堂内の21体の立体曼荼羅は圧巻。正面だけでなく、背後まで回って360度見られるのは秋の『非公開文化財特別公開』だけらしい。だからどうなのだといわれそうだが、人間「特別」という言葉に弱いのだ。

 東寺見学を終えた後は殿田食堂で昼ごはん。私はラーメン、つれ合いはたぬきうどんにしました。2人で寿司の入った一皿(たまご、いなり、海苔巻き)をとりました。うまいですねぇ。こういううどん・丼ものが普通においしい食堂は街の宝だと思う。

 お腹が膨れた後は再び自転車でウロウロ。まず訪れたのは法性寺。藤原忠平が建立した藤原家の氏寺。ここでは国宝の千手観音立像が公開されている。千手観音像といえば十一面が多いが、こちらの像は二十八面観音である。桜の一木から掘り出したものだけに像高は110cmと小柄でした。写真が撮れないのが残念。

 法性寺を後にして泉涌寺へ向かう道すがら東福寺を通り抜けた。紅葉の名所だけに様子を見たかったのだが、まだ時期が早くほんの少し色づいた程度。

 泉涌寺の塔頭・戒光寺に立ち寄りました。ちょうど泉山融通弁財天大祭が執り行われていました。こちらの弁天様は学芸学問はもちろんあらゆるお願いを融通してくださる弁天様だそうです。お金の融通もつけてくださるとのこと。ありがたや。

 さて泉涌寺を目指そうとしたところ、途中に今熊野観音寺があり、「ボケ封じ」の文字が目に入った。この文字を目にしたからには我々夫婦は素通りできない。2人ともかなりボケ始めているのだ。もはや手遅れかもと思いながらも、弱き衆生は神仏にすがるものなのだ。

 さていよいよ泉涌寺である。皇室の菩提寺として「御寺」と呼ばれている。まずは一番奥まったところにある霊明殿、続いて雲龍院を拝観させていただいた。霊明殿には明治、大正、昭和の天皇・皇后の御尊牌が奉安されていました。それ以前の天皇、皇妃、親王方の御尊牌は御扉内に奉安されているそうだ。

 仏殿のとなりには清少納言の歌碑があった。「夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」 百人一首の一つである。

 見応えのあるのは本坊南の高所に位置する別院雲龍院である。庭が美しく、特に蓮華の間、悟りの間は一見の価値があります。この間に座し心を静めて茶をいただくと日頃の喧噪をわすれゆったりとした時間を過ごすことができます。そうそう、台所に安置されている「走る大黒天尊像」も観ておくべきです。

【蓮華の間】

「ちごのさけ いつも のみたや」 私は1分で解けました。左は何のことか解りません。

【悟りの間】

 ポタリング一日目は以上で終了。右京区にある娘の家に行き、そこから車で高雄さん・神護寺に行きました。紅葉の名所です。こちらではありがたいことにご住職にご案内いただきました。ご住職からは源頼朝の画像や隆雄曼荼羅の修復のお話しをいただいた。また弘法大師空海高野山を開く前に住んだところであって、空海密教の入門儀式である結縁灌頂を行った手控えが残されている。結縁者の筆頭に最澄の名が記されていました。手控えということもあるのでしょう。あまり丁寧には書かれておらず、ところどころ間違いを訂正した後もあり、まさに「弘法も筆の誤り」といったところ。