『新版 落語手帖』(矢野誠一・著/講談社)に紹介された274席のうちの30席目は『大山まいり』。六代目・三遊亭圓生で聴きます。この語り口、いいですなぁ。
「大山」といえば、私などは山陰の名峰・大山(だいせん)を思い浮かべる。あるいは「おおやま」と読むのならば、山形県鶴岡市の大山地区。古くは灘・伏見に並び賞された銘醸地。加藤嘉八郎酒造の「大山」は私も愛飲している。しかしこの噺にでてくる「大山」は相模国(現在の神奈川県)にある『大山石尊大権現』のこと。博打と商売にご利益があるそうで、江戸時代には大勢の江戸っ子が参詣に押しかけていたそうな。
「坊主」→「毛が無い」→「怪我無い」はこの噺から来ているのか。なるほど。