佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「旅人」(たびと)

 松江からの帰り、高速バスで岡山に到着。往路は「やくも」を使ったが、復路は高速バスを試してみた。案外早くて便利だ。

 岡山からすぐに新幹線に乗ってもいいのだが、せっかくなので小一時間居酒屋探索をしようと岡山駅前商店街をぶらついた。

 こういうときの私の鼻は良く利く。見つけました。「旅人」(たびと)というおでんの店。

 カウンターだけの落ち着いた雰囲気の店。店内にジャズが流れており、モニターにはチャップリン無声映画。本当におでん屋なのかと疑問に思ったが、ええいままよとカウンター中央付近に腰掛けた。客は私一人だ。

 まずは飲み物。メニューに目を通すとなかなかシブイ銘柄が並んでいる。「勝駒」があるとは、しかも純米吟醸。今時なかなか手に入らない。お主なかなかやるな、という感じだ。即時決定「勝駒」1合。肴に注文したのは大根、貝(全国どこにでもあるらしいが、なにやら変わった名前であった。忘れた)、茶碗蒸し、馬のスジ。どれも出汁の味が利いており美味であった。

 出てくるおでんに舌鼓を打ちながら、酒を次々と注文してしまった。「秋鹿 生酛 もへじラベル」これまた希少な酒ではないか。続いて「白龍 純米吟醸 游」。こちらは「川中島」にしようかどうか迷った。どちらも女性杜氏。24歳の杜氏と聞いて「白龍」を選んだ。若い女性杜氏がどれほどの酒を造るのか飲んでみたいと思ったのだ。なるほどスッキリと辛口、きれいな酒だ。まだまだ「池月 純米 みなもにうかぶ月 ふな掛け あらばしり」。微かな華やかさを感じさせながらも、決して出しゃばらず穏やかな酒。やさしい。癒やされる。

 新幹線待ちで、これほどの酒揃えの店に出会えるとは・・・やはり私はついている。