佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

箱根駅伝復路を観戦しながら

 今日は箱根駅伝の復路。早朝から前日の振り返りを観ておさらいをしたうえで、8時からはTV前に陣取り、激戦の推移を見守る。

 私の胸にグッときたのは東洋大8区の鈴木宗孝君です。平塚中継所をトップで襷を受け取った鈴木君は1年生。それを追う東海大の小松陽平君は3年生。しかも小松君はだれもがその力を認めるトップランナー。そのプレッシャーたるや想像に難くない。鈴木君はそのプレッシャーに押しつぶされること無く、8区を見事に走りきった。スタートしてまもなく鈴木君は小松君に追いつかれ、後ろにピタリと付かれる。鈴木君が前を走り小松君がその後ろをピタリと追いかける状態が長く続く。しかし鈴木君は自分のペースを守り動じることは無かった。小松君は期待どおりの走り、いや、期待以上の走りで22年ぶりの8区間新記録を更新して鈴木君を抜き去りトップで9区に襷をつないだ。記録は1時間03分49秒、東海大初優勝の立役者である。一方、鈴木君の記録は1時間04分44秒、小松君に55秒後れをとっている。しかしこの記録自体、区間3位。2位の青学の飯田孝之君とわずか10秒差という立派な記録なのだ。確かに鈴木君は小松君に抜かれ置いていかれた。だが、これは今の二人の実力差からして当然の結果であり、むしろ小松君の出来が素晴らしすぎたといえる。私から見て、鈴木君の走りは素晴らしかった。それは鈴木君が立派に自分のベストをもって襷をつなぐという責任を果たしたからである。トップで襷を受け取ったプレッシャー。東洋大優勝かという期待によるプレッシャー。初めての箱根というプレッシャー。そうしたプレッシャーに見事打ち勝ったといえる。結果は負けであったが、その悔しさを糧に来年、さらに再来年と大きく成長して欲しい。

 そんなふうに観戦しながら、こちらは酒を呑む。母校の名誉と周囲の期待を背負って必死に走っているランナーに申し訳ないが、私がいくら精進したところで駅伝の結果になんの影響もないのである。私は私のペースで生きていくのである。

 酒は「奥播磨 純米 おりがらみ 30BY」を燗で。肴はおせちの残り。毎年変わらぬ1月3日の過ごし方でした。