佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『夢みる葦笛』(上田早夕里・著/光文社文庫)

『夢みる葦笛』(上田早夕里・著/光文社文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

ある日、街に現れたイソギンチャクのような頭を持つ奇妙な生物。不思議な曲を奏でるそれは、みるみる増殖していく。その美しい歌声は人々を魅了するが、一方で人間から大切な何かを奪い去ろうとしていた。(表題作)人と人あらざるもの、呪術と科学、過去と未来。様々な境界上を自在に飛翔し、「人間とは何か」を問う。収録作すべてが並々ならぬ傑作!奇跡の短篇集。

 

夢みる葦笛 (光文社文庫)

夢みる葦笛 (光文社文庫)

 

 

 10篇の短編を収録。すべて極上のSFです。『眼神』『完全なる脳髄』が特に好み。人間と機械を分けるものはなにか。人の知能と人工知能の違い。人工知能は人の知能を超える能力を持つことは明らかだろうが、そんな人工知能でも人の知能の真似が出来ない部分があるだろう。人工知能はどこまで人に近づけるのか、果たして同化できるのだろうか。そんなことを考えながら本書を読むのは非常にエキサイティングな経験でした。極上の時間を下さった上田早夕里氏に感謝したい。