佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「旬の会」酒蔵見学 ~広島県竹原市・藤井酒造~

2019/02/23

「旬の会」の面々と酒蔵見学に行きました。今年は広島県竹原市文久3年創業の藤井酒造さんです。

 バスに乗って最初の会長挨拶で蔵見学するので失礼のないよう飲み方に注意するようにと言い渡されたにもかかわらず、いきなりの一升瓶回し飲み状態。そうです、この会の連中はそういう奴らなのです。以前の蔵見学でも、バス車中は酒瓶がゴロゴロしていたものです。数年前に旭酒造(「獺祭」の蔵元)を訪れたときも、積み込んだ十升の「獺祭」を飲み尽くし、藏に着いたときにはもう「獺祭」はいらんといった記憶がある。

 藏では社長さん自らがご案内下さった。藤井酒造のこだわりは「純米であること」、「完全発酵であること」「昔ながらの生酛造りに挑戦していること」だそうです。ひと言で言うと昔ながらの酒造りを大切にしていらっしゃるということでしょう。

 まず生酛造りについて。発酵が進み醪のアルコール度数が高くなってくると、酵母はみずからが造ったアルコールに耐えきれず、その働きを弱めてしまうが、生酛系酒母で育てられた酵母は、こうした環境下でも、充分に活躍できるだけの強い生命力をもっているのだそうです。そして天然の強い酵母だからこその完全発酵。完全発酵とは酵母がその使命を終える最後の時まで旺盛に活動を続け、米麹の糖を酒のアルコールに変えること。完全発酵を終えて誕生する酒は、まろやかな口当たりと飲み飽きることのない爽やかな旨み、軽快なあと口のキレを兼ね備えているといいます。

 ほんとうに良い酒を信念を持って造っていらっしゃると感じました。応援したい藏です。

 蔵見学の後は蔵の中にある蕎麦処「たにざき」を借り切っての酒宴。流石、蔵の中にある蕎麦屋だけに肴が呑助の好みそうなものばかり。藤井酒造の完全発酵生酛造りの酒がスキッとした旨味とキレを持ち食中酒として最高であることを確認しました。

 鴨鍋を食べた後、蕎麦を投入して〆。おいしゅうございました。

 ほろ酔い気分で歩く竹原の街並みもなかなか乙なもの。よい旅でした。