佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『慈雨』(柚月裕子・著/集英社文庫)

『慈雨』(柚月裕子・著/集英社文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

極上のミステリーにして慟哭の人間ドラマ!!
引退し、お遍路を旅する元警官が少女誘拐事件の発生を知る。難航する捜査、渦巻く悔恨と葛藤。
時間と空間を超えたドラマは、驚きと感動の結末へ──!待望の文庫化

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。事件の真相、そして明らかになる事実とは。安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。

 

慈雨 (集英社文庫)

慈雨 (集英社文庫)

 

 

 待ってました。《『本の雑誌』が選ぶ2016年度ベストテン》の第一位に選ばれた傑作がやっと文庫で発売になった。発売即重版。今年の4月25日に第一刷、直後の5月21日に第二刷という売れ行きである。さもありなん。読み始めるや否やぐんぐん作品に引き込まれ、寸暇を惜しんで読み続けた。作者のプロフィールを読むと、すでに大藪春彦賞日本推理作家協会賞を受賞した作品があるようだ。また追いかけてゆきたい推理作家に出会ってしまった。一日が24時間では短すぎる。一年が365日では足りないではないか。