佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『羽州ぼろ鳶組Ⅵ 夢胡蝶』(今村翔吾・著/祥伝社文庫)

羽州ぼろ鳶組Ⅵ 夢胡蝶』(今村翔吾・著/祥伝社文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

「その願い、全て俺が叶える」業火の中で花魁と交わした約束――。”消さない火消”たちの心を動かし、吉原で頻発する火付けに、ぼろ鳶組が挑む!

 

 花魁・花菊は死を希った。吉原の大見世で最高位の花魁となるも、やはりここは苦界でしかない。父母と彼岸での再会を望み、燃え盛る妓楼に身を置いた。だが紅蓮の炎に飛び込んできた男がいた。花菊は業火の中、ぼろ鳶組纏番・彦弥と運命の出会いをする―。連続する火付け、下手人と思しき者の殺害、黒幕が?新庄藩火消頭・松永源吾が情念渦巻く吉原で謎に挑む。

夢胡蝶 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

夢胡蝶 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

 

 前巻では新之助と武蔵の活躍にスポットがあたったが、今巻ではぼろ鳶の纏番・彦弥が主役級の扱い。女好きの色男の彦弥ゆえ、どうしても軽薄なイメージがついてしまい脇役に甘んじていた彦弥だが、ところがどっこい根っこの部分で純なところがあった。「女の頼みは断らねえ」という意気や良し。流石、女心への寄り添い方は堂に入っている。